May 22, 2019 / 2:58 AM / 4 months ago

輸出・生産減が内需にリスク、消費増税も需要減に=原田日銀委員

 5月22日、日銀の原田泰審議委員(写真)は、長崎県金融経済懇談会で講演し、輸出や生産の減少が雇用や消費に波及するリスクがあると指摘。写真は都内で2015年3月撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

[長崎市 22日 ロイター] - 日銀の原田泰審議委員は22日、長崎県金融経済懇談会で講演し、輸出や生産の減少が雇用や消費に波及するリスクがあると指摘。10月に予定されている消費増税も景気を後退させ、需要減が物価を引き下げる可能性があると懸念を示した。そのうえで、景気が悪化し、2%の物価安定目標の長期的な達成も困難になれば、躊躇(ちゅうちょ)なく金融緩和を強めるべきだと主張した。

原田審議委員は「現在の金融政策によって景気回復が続けば、雇用が逼迫し、やがて物価は上昇していくはず」としながらも、現状の景気状況の厳しさや消費増税などがハードルになるとした。

外需と生産の減少については「現在のところ、設備投資と消費の内需はなんとか踏みとどまっている」と指摘。ただ「現状、下方リスクが高まっていることも確か」と付け加えた。

消費増税については「増税が景気を後退させ、需要減が物価を引き下げる可能性がある」とした。また、教育無償化や携帯電話通話料の引き下げなども物価上昇率達成を遅らせることになると指摘。「足元の現実の物価の停滞が予想物価上昇率の停滞をもたらし、物価上昇をさらに遅らせるリスクがある」との見方を示した。

そのうえで「景気が悪化し、2%の物価目標の長期的達成も困難になるようなことがあれば、躊躇なく金融緩和を強めることが必要」との考えを示した。

原田委員は、不況時に刺激策がなくなると困るとの理由から、景気回復が十分でなくても早めに金利を引き上げる「のりしろ」論は大失敗だったと指摘。「十分な物価上昇のモメンタムを確認してから利上げを行うことが正しいのりしろ論だ」と述べた。

2000年のゼロ金利政策の解除や2006年の量的緩和の解除は「正常化」の試みだったが、早すぎた金融引き締めで景気悪化が懸念され、長短金利差はむしろ縮小したと振り返り、「現在の日本でも金利を直ちに引き上げれば、長短金利差は逆転してしまう」とした。

低金利政策の副作用として懸念される銀行経営問題。これに対し、原田委員は「経営悪化はむしろ、貸出先がないのに預金が集まってしまうという銀行の構造問題によるもの」との見方を示した。QQE(量的・質的金融緩和政策)で銀行の収益が下振れしたという議論は、金利低下が景気を回復させたことを見ずに、金利が低下しなかったらもっと利益が上がっていたはずだという「あり得ない想定に基づいた議論」と一蹴した。

清水律子

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