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物価目標へ改めて総合的な検討必要との声も=日銀会合の主な意見

[東京 28日 ロイター] - 日銀が17―18日に開催した金融政策決定会合で、同会合で実施を決めた政策の点検について、現在の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和は「うまく機能しているので、見直す必要はない」といった意見が出された半面、「物価目標の達成に向けてどのような戦略をとるべきか、改めて総合的に検討することが必要だ」との意見も出ていたことが分かった。

 日銀が17―18日に開催した金融政策決定会合で、同会合で実施を決めた政策の点検について、現在の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和は「うまく機能しているので、見直す必要はない」といった意見が出された半面、「物価目標の達成に向けてどのような戦略をとるべきか、改めて総合的に検討することが必要だ」との意見も出ていたことが分かった。写真は都内の日銀本店で2015年5月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

日銀が28日、決定会合で出された主な意見を公表した。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で現行の政策枠組みを変更しないと明言した。 しかし、一部の委員からは2016年の「総括的な検証」をほうふつとさせる発言が出ていた。

決定会合で、ある委員は「緩和のさらなる長期化を踏まえ、2%の物価目標を実現する観点からより効果的で持続的な金融緩和を実施するための点検が重要だ」と述べた。物価については「感染症による経済の下押しが当面続くことを考えると、物価2%の実現には、かなりの時間がかかることを覚悟する必要がある」との指摘が出されていた。

ある委員は点検に当たって「現在の枠組みのもとで実施している政策の運営面に焦点を当てることが適当」と述べた。この委員は「来年3月会合までの期間を念頭に作業するのが良い」とも指摘した。「資産買い入れを含めた金融緩和策の効果と副作用を点検し、必要に応じて持続性や効果を高める改善を図るべき」との意見も出された。

上場投資信託(ETF)の買い入れについては「当面積極的な買い入れを維持するとともに、金融緩和が長期化する中、財務の安定性にも配意し、市場の状況に応じた柔軟な調整の余地を探るべき」といった意見が出ていた。

ある委員は「YCCやETF等の資産買い入れについて、柔軟な運営により持続性を高めつつ、経済・物価・金融情勢の変化に対して、効果的に対応できるよう備えておくことが必要だ」と指摘した。

「イールドカーブの緩やかなペースでのスティープ化は金融緩和の長期化と金融システムの安定の両立の観点から望ましい面もある」との意見も見られた。この委員は「より丁寧できめ細かなコントロールが必要になっていく」と述べた。

<コロナ特別プログラム、延長決定「できるだけ早く」>

日銀は決定会合で、新型コロナの感染拡大を受けて打ち出した企業などの資金繰りを支援する特別プログラムの期限を来年3月から来年9月に延長することも決めた。

委員からは「政府の新たな経済対策が策定されたこの機会に合わせて、資金繰り支援策の延長について検討すべき」といった意見や「感染症の拡大に歯止めかからず、不確実性が依然として高い状況下、特別プログラム延長の方針をできるだけ早く示すことは、将来の成長に必要なリスクテークを含めた企業マインドの維持に資する」との指摘が出ていた。

ある委員は、成長資金が企業に届くように「厚みのある社債市場の整備をはじめとした直接金融の強化・整備が重要だ」と述べた。

<感染再拡大に警戒感>

12月の決定会合は内外で再び感染が急増する中で開かれた。委員からは「足元の感染症拡大から対面型サービス業などで先行き不透明感が強まっており、先行きの動向を慎重に点検する必要がある」といった意見や「設備投資や雇用の調整圧力が残る中、内外の感染再拡大が公衆衛生措置の強化や家計マインドの悪化を通じて景気下振れにつながるリスクがあり、注意を要する」との指摘が出された。

「現在の物価は一時的要因でマイナスに転じているが、中長期のインフレ予想も弱含んでおり、デフレ再燃のリスクは相応に残っている」との見方も出ていた。

*情報を追加しました。

和田崇彦 編集:内田慎一

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