[東京 27日 ロイター] - 市場筋によると、日銀が11月に買い入れた長期国債の総額は11兆1696億円程度(オペ通告日ベース)と前月(6兆7367億円程度)に比べて大幅に増加し、日銀が2013年4月に「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」を導入して以来、最大となった。
11月の日銀買入額は、月間の新規国債発行予定額(10.7兆円程度)を上回る規模。国債市場では、日銀の買入増を受けて需給がひっ迫。27日の取引では、10年最長期国債利回り(長期金利)が一時0.420%と2013年4月5日以来、約1年7カ月ぶりの水準に低下。国債先物中心限月12月限も26日夜間取引で付けた史上最高値(146円84銭)を更新した。
みずほ証券・シニア債券ストラテジストの早乙女輝美氏は「JGB市場において日銀依存が深刻になっている」と指摘している。
日銀は10月31日の金融政策決定会合で、異次元緩和の拡大を決定。2014年末の長期国債保有残高見通しを10兆円増やして200兆円に増額。今後の年間増加ペースを30兆円積み増して約80兆円としている。
しかし、年間80兆円の増加ペースを前提にした場合、日銀保有国債の償還を踏まえると、年明け以降の日銀買入額は、月間9兆円強に減額されるとの試算もある。みずほ証券の早乙女氏は「日銀の買入ペースはどこかのタイミングで減額が予想され、長期的にブルトレンドを追いにくい」と話す。
また、日銀金融市場局は12月8日に「市場参加者との意見交換会」を開催する。市場では「オペに対する不透明感が払しょくされるように期待したい」(国内金融機関)との声もある。
*情報を追加して再送します。
星裕康