April 28, 2016 / 4:22 AM / 4 years ago

日銀が政策維持、株安円高に:識者はこうみる

[東京 28日 ロイター] - 日銀は28日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めた。熊本地震の被災地の金融機関に対して、総額3000億円の支援オペを導入した。物価目標2%に達する時期を「2017年度中」に事実上後ずれさせた。市場関係者のコメントは以下の通り。

 4月28日、日銀は金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めた。写真は都内で2014年1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

<ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏>

日銀が今回、追加緩和を見送った背景に、日本株がすでに高い水準まで上昇していたことがあったのではないか。

朝方発表されたインフレ率は想定を下回り、国内企業業績は悪化傾向、設備投資も弱いなかでは追加緩和に踏み込んでもよかったはず。ましてや、展望リポートでは物価目標2%の達成時期を先送りしている。

それにもかかわらず緩和を見送ったということは、安倍政権と肩を並べて株価を意識しているとの批判が挙がってもおかしくはない。今回の会合でどのような議論がなされたのか、吟味する必要がある。

<東海東京証券・チーフ債券ストラテジスト 佐野一彦氏>

金融政策の現状維持は、熊本地震による被災地オペを除くと、予想通りだ。発表を受けて為替は急速に円高が進んだが、それだけ追加緩和への期待感が強かったのだろう。しかし、先行きの追加緩和期待が残っているため、ドル/円は108円台、109円台で落ち着くのではないか。

円債市場は、追加緩和が見送られるとの見方を他市場よりも織り込んでいた。今回の日銀決定による反応も、為替や株価の変動による二次的なものになるだろう。円高・株安が進むようだと、相場のフォローになるのではないか。

<外為どっとコム総研 調査部長 神田卓也氏>   

足元の世界経済や金融情勢を踏まえ、現時点では追加緩和は必要ないとの判断であれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)と軌を一にするといえる。

ただ、手詰まりなのか、大局を見据えた上での判断なのかで、今後の相場展開も大きく変わる。この後の黒田東彦総裁の会見を見極める必要がありそうだ。

ドル/円相場では、ひとまず緩和期待のはく落による売りが先行した。きょうは欧州・ニューヨーク時間にかけ、もう一段安もありそうだ。ドル/円は、短期的には年初来安値を更新する可能性は否定出来ない。

ただ、売りが一巡すれば、次は緩和という思惑が再び膨らんでくるだろう。この段階で追加緩和を実施して、打ち止め感が出てしまうよりは、次の会合への緩和期待が残った方が相場にはプラスとも考えられる。長い目で見て、円高方向の抑止力が残る。

<SMBC信託銀行プレスティア シニアFXマーケットアナリスト 尾河眞樹氏>

事前に期待が高まりすぎていただけに、出尽くし感が強まるような悪い展開が警戒されたが、ひとまず避けられた。

今回の追加緩和見送りの判断は理解できる。追加緩和ができなかったのではなく、マイナス金利の効果を見極めたいということだろう。銀行貸し出しにマイナス金利を適用するとの市場の思惑もあったが、マイナス金利の深掘りとセットとなるため、これも現時点では見込めなかった。上場投資信託(ETF)や国債購入枠の拡大への思惑もあったが、これらだけでは中途半端なイメージも拭えない。

世界を見れば、リスク要因がいくつも控えている。中国減速懸念がくすぶるほか、6月には英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票がある。ギリシャ問題再燃のリスクもある。この上、日本では参院選が7月に見込まれ、円安・株高の地ならしをするにしても、まだ間がある。

ドル/円がひとまず109円台にとどまっているのは、次回以降に期待が残っているためだろう。日本サイドからは、財政政策を含めて円安材料が出てくると見込まれている。過去最高水準に円買いポジションが積み上がった投機筋からは、今後もそれを解消する動きが出てきやすい。108円台では、円売りも出やすいだろう。

黒田東彦総裁会見では、先行きの追加緩和への期待をつなげられるかどうかがポイントになる。打ち止め感が出れば、円高要因となり得る。

*内容を追加しました。

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