May 26, 2014 / 9:28 AM / 5 years ago

物価2%目標、景気過熱で超え続ければ政策調節=岩田日銀副総裁

[東京 26日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は26日午後、都内の共同通信本社で講演し、異次元緩和で物価上昇率が目標の2%を超え続ければ「政策を調節する」と述べた。

 5月26日、日銀の岩田規久男副総裁は、異次元緩和で物価上昇率が目標の2%を超え続ければ「政策を調節する」と述べた。昨年6月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

同時に2%目標の達成が難しいなら追加緩和を辞さない姿勢もあらためて示したものの、日銀幹部が引き締め方向での政策変更の可能性について明言するのは異例で、政策効果に対する自信の表れとみられる。

<物価目標にハイパーインフレ防止効果>

岩田副総裁は日銀が2%目標を採用したことは、デフレ脱却を実現するだけでなく、悪性の物価上昇であるハイパーインフレを防ぐ効果もあると主張。「景気が過熱して物価が目標の2%を恒常的に上回るようならば政策を調節する」と述べ、引き締め方向で政策を変更する姿勢を示した。

一方、「2%の達成時期が非常に遠いなら、逆方向で政策を調節する」とし、追加緩和に踏み切る姿勢をあらためて示した。

<2%物価目標、為替安定もたらす>

岩田副総裁は、「物価が2%だと買い物が大変になるのに、なぜ目指すのかとよく質問される」と述べ、2%の物価目標を掲げる意義を説明。「物価目標の下限を1%、上限を3%としている国は経済成長が高い」ため、多くの先進国で2%目標が採用されていると指摘。日本も同じ目標を掲げることで、「購買力平価から円高となる可能性が少なくなる」ほか、「為替レートの安定につながる」とし、2%目標に円高抑止効果があるとした。

<物価上昇要因は需要、輸入物価上昇だけなら失業率上昇>

民間エコノミストの間では、前年比での為替の円安幅が今後縮小すれば輸入物価の上昇圧力が弱まり、物価上昇が止まるとの見方が多いが、岩田副総裁は「今の物価上昇は、輸入物価によるコストプッシュではなく、需要プッシュ型」と反論した。「輸入物価上昇は、輸入品以外の需要減退で物価を押し下げ、生産下落から失業率上昇ももたらすはず。そうなっていないのは、金融緩和で需要刺激を続けているから」と説明した。

<需給ギャップ解消は金融政策、成長率引き上げは政府>

岩田副総裁は長らく大胆な金融緩和を通じたデフレからの脱却を提唱するリフレ派の代表的な論客。今回も「物価は最終的、中長期的には貨幣現象」とし、デフレに慣れ親しんだ人々のマインドを「インフレマインドにできるのは金融政策」と強調した。

ただ、日本経済の潜在的な供給力に対して需要が不足している場合、「金融政策は需給ギャップを絶えず埋めることはできるが、潜在成長率を引き上げることはできない。潜在成長率を引き上げる規制緩和などの政策手段は政府が持っている」と指摘。需給ギャップ解消は日銀、成長率引き上げは政府、との役割分担をあらためて強調した。

<海外要因、株高・円安に悪影響>

副総裁は異次元緩和が所期の効果をもたらしたとの見解を繰り返したが、昨年5月以降株高・円安の流れが時に停滞するのは、米緩和縮小など海外要因が多いとの見解を示した。

円安進行に比して輸出が伸びていないのは、「ASEAN(東南アジア諸国連合)経済の弱さが響いている」ほか、消費増税の駆け込み需要に対応してメーカーが国内向け出荷を優先して面もあるとし、今後輸出は伸びるとの見方を示した。

今回の景気回復は内需主導であるため、「従来景気回復が遅れた北海道や沖縄も(海外)観光客が増えている。製造業のない地域にも恩恵が及んでいる」とした。

*内容を追加しました。

竹本能文、伊藤純夫 編集:山川薫

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