March 1, 2018 / 2:19 AM / 3 months ago

物価目標の早期達成に向け追加緩和が必要=片岡日銀委員

[岡山市 1日 ロイター] - 日銀の片岡剛士審議委員は1日岡山市で、昨夏の就任以降、初の講演を行い、物価目標の早期達成のためにはさらなる追加緩和が必要と改めて主張した。金融緩和の目安を量から金利に転換したことで、景気回復が物価上昇に結びつきにくくなったとも指摘。主要欧米諸国のように金融緩和の縮小にかじを切れば、再びデフレに戻ると警鐘を鳴らした。

 3月1日、日銀の片岡剛士審議委員(写真)は岡山市で、昨夏の就任以降、初の講演を行ない、物価目標の早期達成のためにはさらなる追加緩和が必要と改めて主張した。写真は都内にある日銀本店で昨年7月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

片岡氏は需給ギャップと物価上昇率の関係を図示し、日銀が短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%に抑える「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)」を導入した2016年9月以降、需給ギャップの改善に比べて物価が上昇しにくくなっていると指摘した。

家計や企業の抱く先行きの物価である予想インフレ率も明確に上昇はしていないため、「もう一段の追加緩和が必要」と強調した。追加緩和手段としては「さまざまあるが、効果と副作用のバランスを考えると、10年以上の幅広い国債金利の引き下げが現時点で最適」との認識を示した。

<安易な政策転換、再びデフレへ>

欧米の主要中央銀行が相次いで利上げや金融緩和の縮小に動いているが、「日本とは物価を巡る状況がかなり異なり、日本は政策転換を検討する状況からはまだかなり遠い」と述べた。

日本は米国などと異なり、「1990年代半ば以降、デフレが長期化する中で、物価が上昇しないことを前提とした経済活動が合理的となり デフレ均衡に陥ってしまった」と指摘。「物価上昇率の改善は十分でなく、途半ばの状況。こうした中で金融政策の方向性を安易に転換すると、再び完全にデフレ均衡に戻ってしまうリスクがある」と警告した。

<19年消費増税で物価下押しも>

日銀が大規模な「量的・質的金融緩和」を導入した2013年4月以降、「予想インフレ率は着実に上昇していた」が、「消費税率引き上げと原油価格の下落を契機に弱まってしまった」と指摘した。

このため、2019年度の消費税引き上げについては「消費低迷を通じて予想インフレ率が弱含む可能性もある」ため、「物価下押しの圧力が高まる可能性がある」と指摘。海外経済のリスクも19年度までに顕在化する可能性があり、その場合、日本経済は「相応に下振れる」と警戒した。

*内容を追加しました。

竹本能文

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