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出口戦略議論は時期尚早、現在の緩和を粘り強く継続=黒田日銀総裁

 12月6日、日銀の黒田東彦総裁は、参議院財政金融委員会で、大規模金融緩和政策の出口戦略を議論するのは「時期尚早」とし、2%の物価安定目標達成に向けて現在の緩和政策を粘り強く続ける考えを改めて示した。日銀本店で会見する同総裁。東京で9月に撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 6日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は6日、参議院財政金融委員会で、大規模金融緩和政策の出口戦略を議論するのは「時期尚早」とし、2%の物価安定目標達成に向けて現在の緩和政策を粘り強く続ける考えを改めて示した。大門実紀史委員(共産)の質問に答えた。

黒田総裁は、1998年から2013年まで15年間デフレが続いたことから「物価安定の実現を目指すためには、強力な金融緩和の実施が不可欠だった」と述べ、短期金利に引き下げ余地がほとんどなかった中で量的・質的金融緩和を行ったと説明した。

その上で「すでに経済は回復しているが、まだ2%の物価安定目標には達していない。これを実現するため、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要がある」と述べた。

大門委員は、2%の物価安定目標を取り下げるべきと指摘。これに対し黒田総裁は、消費者物価指数統計の上方バイアスや再びデフレに陥らないための政策対応力の確保、他国と同水準であることなどから「物価安定目標2%の実現を目指すことが適当」との考えを示した。

また、保有国債やETFの売却計画を示すべきとの指摘に対しては「一種の出口戦略の議論。出口戦略は適切な時期に金融政策決定会合で議論し、市場にも発信していくことが必要だと思うが、まだ時期尚早」と述べた。

「国債補完供給」の利用については「国債補完供給は個別の国債銘柄の需給が逼迫した際に、一時的・補完的に供給することが目的」とした上で、「国債補完供給の利用を前提とした国債買い入れの応札は受け入れられ得るものではない」との見方を示した。

清水律子

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