May 10, 2018 / 4:21 AM / 4 months ago

デフレ心理「予想以上に手強い」、期待上昇に相応の時間=黒田日銀総裁

[東京 10日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は10日、都内で講演し、人びとに根付いたデフレマインドは「予想以上に手強い」と述べ、物価2%目標の実現には好調な経済が持続し、インフレ期待の高まりにつながっていくことが重要との認識を示した。

 5月10日、日銀の黒田東彦総裁は、都内で講演し、人びとに根付いたデフレマインドは「予想以上に手強い」と述べ、物価2%目標の実現には好調な経済が持続し、インフレ期待の高まりにつながっていくことが重要との認識を示した。写真は都内で4月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

総裁は、物価が2%に向けて上昇していくメカニズムについて、需給ギャップの改善を通じた現実の物価の上昇を第1ステップ、実際の物価の上昇に伴う企業や家計の中長期的な予想物価上昇率の高まりを第2ステップに分類して説明した。

第1ステップは、景気拡大の持続などを背景とした需給ギャップの改善が「賃金や物価を着実に押し上げている」と評価する一方、第2ステップについては、予想物価上昇率が「なお横ばい圏内で推移している」と指摘。目標実現には「特に第2段階のメカニズムが明確に作動していくことが重要」と述べ、インフレ期待の高まりが不可欠との認識を示した。

そのうえで、物価の先行きは「下振れリスクの方が大きい」とし、「現実の物価上昇が予想物価上昇率に波及するには相応のタイムラグがあり、ラグの大きさにはかなりの不確実性がある」と警戒。「人々に根付いたデフレマインドは予想以上に手強く、その転換には、時間がかかる」とし、マインド転換には「経済の好循環を持続させる必要がある」と語った。

日銀は4月の金融政策決定会合で、これまで「2019年度ごろ」としていた物価2%の達成時期の記述を削除した。総裁は「期限を念頭に置いて金融政策を行っているわけではない」と述べ、現在の金融政策の枠組みのもとでは「2%の達成時期に関する具体的な期限は設定していない」と重ねて強調した。

金融政策運営は、足元の消費者物価が1%程度と目標に「なお距離」がある中で、「強力な金融緩和を粘り強く進めていく必要がある」と指摘。短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする現行のイールドカーブが「最も適切」と語った。

将来的に金融緩和を縮小する出口戦略については、目標実現が遠い現段階で具体的な順序やテンポを示すと「かえって市場の混乱を招く可能性がある」と繰り返した。

もっとも、「時間の経過とともに2%の物価安定目標が実現する確度が高まっていけば、出口に向けた環境が少しずつ整う」とし、「そうした状況が進めば、いずれ出口の条件について金融政策決定会合で議論が行われる」と述べた。

*内容を追加しました。

梅川崇、伊藤純夫 

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