September 16, 2014 / 8:02 AM / 5 years ago

為替の安定極めて重要、安定確保されるよう努める=日銀総裁

[大阪市 16日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は16日、大阪市内で講演した後、地元経済団体からの質問に答え、為替の安定が極めて重要とし、安定確保に努力すると明言した。消費税引き上げを受け、耐久財や住宅投資の回復遅れを注視する姿勢を強調した。必要があれば金融政策で追加的に対応すると繰り返す一方で、今後は成長戦略がますます重要と強調した。

 9月16日、日銀の黒田東彦総裁は、大阪市内で講演した後、地元経済団体からの質問に答え、為替の安定が極めて重要とし、安定確保に努力すると明言した。2010年10月撮影(2014年 ロイター/Truth Leem)

黒田総裁は、質問した自動車部品メーカー・エクセディの清水春生社長などの要望に応える形で「為替の安定が極めて重要」と指摘した。為替相場は「米国や欧州、アジアなど各国の経済・金融情勢で影響を受ける」ため「日本の政策のみで安定するのは難しい」と指摘しつつ「為替の安定が確保されるべく努めていきたい」と強調した。

消費税引き上げ後の国内経済について「全体として企業がコストを転嫁しやすい状況」としながらも「中小企業の一部消費税やコストの転嫁に悩んでいる」と指摘した。

個人消費は緩やかに回復しつつあるとの見方だが、自動車などの耐久財と住宅投資は「かなり回復が遅れ気味で引き続き十分注視したい」とした。「西日本を中心とした天候要因の影響も注視」する。

金融政策について「経済・物価の影響を把握して適時適切な対策を取っていく」としつ、「政府の第三の矢、成長戦略がますます重要。政府に意見申し上げることもある」と述べた。

来年10月の消費税率の再引き上げをめぐっては、会場からの「国際公約であり実施すべき」(村尾和俊・関西経済同友会代表幹事)の意見に応える形で、「財政への信認確保は極めて重要。政府の財政健全化目標の達成への取り組みに今後も期待する」と述べた。

また、黒田総裁はその後の記者会見で、米経済の回復が続いている限りドル高・円安は日本経済にプラスとの認識をあらためて示した。量的・質的金融緩和(QQE)で大量の国債や上場投資信託(ETF)などを買い入れており、緩和効果が累積的に高まっていくとの主張を繰り返した。

黒田総裁が会見に先立ち出席した関西経済会との懇談会では、出席者から、円安によるコスト増への懸念などから為替の安定を求める声も出た。総裁は4日の定例会見で、現時点で円安は日本経済にとって望ましいとの考えを表明したばかりだが、その考えに「変わりはない」と明言。「為替相場は経済の基礎的条件に即した安定が望ましい」とし、「米経済の順調な回復や緩和縮小を背景としたドル高・円安は自然」と指摘。「米経済・金融情勢を反映したドル高・円安は今のところ日本経済にマイナスではない」と繰り返した。

甘利明経済再生担当相が同日の会見で、消費マインドを冷やさないよう政府の考え方を示していくことも必要になるのではないかと発言したことへの所見を問われ、直接のコメントは控えつつ、「QQEは毎月大量の長期国債やETF、REIT(不動産投資信託)購入を通じて緩和効果が累積的に出てくる」と強調した。消費増税前の駆け込み需要の反動による耐久消費財や住宅投資の動き、天候による西日本の消費などを点検し、「物価目標に向けて下方リスクがあればちゅうちょなく政策の調節を行う」との方針を繰り返した。

消費者物価の上昇率が1%台前半で伸び悩んでいる点については「需給ギャップの縮小や予想インフレ率の高まりで物価が上昇する効果と、昨年原油価格などが上昇した反動による押し下げが打ち消し合っている」と説明。物価のプラス幅が今年度後半から拡大するとの見解をあらためて示した。

日銀の短期国債買い入れオペで、金利がマイナスでも買い入れを実施している点については「重大な問題とは考えていない。金利がマイナスで買い入れが難しくなったことはない」と指摘。大量の国債を買い入れるQQEの枠組みが限界に近づきつつあるとの一部の懸念をけん制した。

*記者会見の内容を追加しました。

竹本能文

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below