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黒田日銀総裁、2%目標道半ばで原油動向「無視できない」

[東京 19日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は19日の金融政策決定会合後の記者会見で、人々の物価観が目標とする2%まで上がりきっていない現状では、原油などの動向を無視できないと述べ、中期的には日本経済にプラスとなる原油下落が要因であっても、必要ならば追加緩和を辞さない姿勢をにじませた。

 12月19日、日銀の黒田東彦総裁(写真)は金融政策決定会合後の記者会見で、人々の物価観が目標とする2%まで上がりきっていない現状では、原油などの動向を無視できないと述べ、中期的には日本経済にプラスとなる原油下落が要因であっても、必要ならば追加緩和を辞さない姿勢をにじませた。(2014年 ロイター/Yuya Shino)

ロシア通貨暴落による市場への影響なども注視するとした。会合では10月末の追加緩和で決めた資金供給量を年80兆円増やす現行の量的・質的緩和政策の維持を決めた。

日銀は今年10月31日に追加緩和に踏み切った際、消費増税後の消費の回復の遅れとともに足元の原油価格下落について、ようやくデフレ感覚から脱却しつつある物価観(予想物価上昇率)を押し下げかねないとして重視する姿勢を示した経緯がある。

黒田総裁はこの日も、日本の予想物価上昇率は「ゼロ%近辺から1%前後まで上昇した」が、「2%の目標にはアンカーされていない」と述べた。「当然、目標に向けて上下双方向のリスクに対応するのは極めて自然」とし、「原油価格や為替など(物価に影響のあるさまざまな要因を)無視してよいということはない。十分勘案しながら適切な対応をする」と明言した。物価の下落要因が原油などであっても、必要があれば追加緩和を辞さない姿勢を示し、「必要ならばなんでもやる」とも強調した。

現時点では「2015年度を中心とする期間に物価が2%に達する見通しを維持する」としつつ、原油安のため「来年前半に物価上昇率が加速するとは考えにくいかもしれない」と述べた。

もっとも原油価格の下落は、資源輸入国である日本にとってはプラスとも強調。「物価が下落する要因はいずれはく落し、経済活動に好影響を与え、基調的には物価を押し上げる要因になり得る」とした。

決定会合では、10月末の追加緩和で拡大した量的・質的金融緩和(QQE)の継続を賛成多数(賛成8・反対1)で決定した。前回に続き、木内登英審議委員が追加緩和前の政策に戻すべきと主張して反対した。景気の現状は「緩やかな回復」との認識を維持し、輸出と生産の判断を上方修正した。

会合を受けて市場で大きな動きはみられなかったが、 総裁会見をはさみ ドル/円が会見前の119.40円付近から一時119.10円まで円高方向に振れた。原油安が「ディスインフレ圧力となって追加緩和につながると期待していた向きがドルを売る動きがあったのかもしれない」(国内金融機関)との見方が聞かれた。

市場関係者の間では、総裁会見から「2%目標は捨てないとの強い姿勢が維持された」(UBS証券 エコノミスト、青木大樹氏)との見方が聞かれた。

また、総裁は原油安が日本の経済活動にプラスに働くとも指摘したため、「追加緩和を匂わすのではないかとの見方を否定した」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニアマーケットエコノミスト、六車治美氏)との受け止めもあった。

*内容を追加しました。

竹本能文

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