December 26, 2017 / 5:05 AM / a year ago

今年は世界経済転換の年、金融の過度の強気化は引き続き点検=黒田日銀総裁

 12月26日、日銀の黒田東彦総裁は都内で開かれた経団連審議員会で講演し、世界経済は新たな成長局面に入ったが、日銀としては、2%の物価目標実現を目指して現在の金融緩和を粘り強く継続すると強調した。写真は11月にチューリヒで講演する同総裁(2017年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[東京 26日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は26日都内で開かれた経団連審議員会で講演し、世界経済は新たな成長局面に入ったが、日銀としては、2%の物価目標実現を目指して現在の金融緩和を粘り強く継続すると強調した。バブルの芽は観察されていないものの、今後も引き続き点検すると述べた。

黒田総裁は世界経済の現状について「バランスのとれた成長を実現している」と指摘。1年前に「グローバル金融危機の負のレガシー(遺産)を清算し、新たなフェーズに入りつつある」と述べたことを振り返り、「今年はリーマンショック以降、抑制された状態が変化する転換の年だった」とした。具体的な例として、一時期伸び悩んでいた貿易量が「再び世界経済の成長率を上回るペースで増加している」と指摘した。

もっとも、景気が回復しているわりに企業による生産コストの販売価格などへの転嫁は「これまでのところ労働集約的な業種の一部にとどまっており、全体として勢いを欠いた状態」とした。「現実の賃金上昇ペースは、過去の局面と比べ、景気の拡大や労働需給の引き締まりの割に鈍いと言わざるをえない」「これまでのところ、販売価格を引き上げるよりも、自社の労働生産性を高め、賃金コストの上昇を吸収することを優先する企業の方が多いように見受けられる」との見解を示した。

このため足元の物価については「小幅なプラスにとどまっており、2%の目標実現までにはなお距離がある」とした。

政策運営は「現在の長短金利操作(YCC)のもとで、引き続き強力な金融緩和を粘り強く進めて行く方針」と強調した。

もっとも「資産市場や金融機関行動で過度な期待の強気化は観察されていないが、こうした金融面の動きについて、しっかりと点検していくことも大切」と指摘した。

現下の人手不足の影響をめぐり「経済は短期的に制約と思われることを乗り越えていくことで成長して行く」と楽観。「日本企業の問題解決能力に全幅の信頼を置いている」とも述べ、日本企業が限りある人材を有効活用し成長力を高めて行くとの展望を示した。

*内容を追加しました

竹本能文

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