April 9, 2018 / 4:42 PM / 3 months ago

出口戦略、市場と対話は時期尚早 副作用を注視=日銀総裁が再任会見

[東京 9日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は9日、再任にあたって記者会見を行い、今後5年間の金融政策運営で課題となり得る出口戦略について「タイミングや手順を検討する局面にはない」とし、市場との対話は時期尚早と語った。一方、大規模緩和の長期化による金融仲介機能などへの影響を注視し、必要に応じて対応する考えも示した。

 4月9日、日銀の黒田東彦総裁は再任にあたって記者会見を行い、今後5年間の金融政策運営で課題となり得る出口戦略について「タイミングや手順を検討する局面にはない」とし、市場との対話は時期尚早と語った(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

黒田総裁は再任に際し、強力な金融緩和の継続によって2%の物価安定目標の実現の「総仕上げを果たすべく、全力で取り組む」とし、5年間の新たな任期で「金融面から日本経済のさらなる発展に貢献したい」と決意を表明した。任期をまっとうすれば年齢は78歳となるが、「任期いっぱい務めるつもりだ」と高齢批判を一蹴した。

<物価2%はっきりするまで現行緩和を継続>

今後の5年間を展望した場合、物価2%目標の達成とそれに伴って緩和政策を縮小する、いわゆる出口戦略を円滑に実行できるかが課題となる。

出口戦略については、大規模緩和によって膨張した日銀のバランスシートの圧縮と、当座預金への付利などを対象とした金利水準の調整が課題になると指摘。市場では、逆ざやに伴う日銀財務への影響や市場の混乱などを懸念する声が少なくないが、総裁は出口戦略は「経済や市場に悪影響が出ないよう、慎重に緩やかに進める。適切な政策運営を行うことは可能だ」と自信を示した。

金融政策の正常化に向けたプロセスは「いずれ検討しなければならないだろう」としつつも、物価2%目標の実現に「なお距離がある」現状で、出口戦略を具体的に説明することは「市場に混乱を招く可能性がある」と懸念。

出口局面における市場との対話の重要性を指摘する一方、現状での対話は「時期尚早だ。出口のタイミングや手順を検討する局面にはない」と繰り返した。

また、将来的な景気後退局面入りに備え、早目に緩和余地を確保する必要性についても、「政策余地拡大のための緩和縮小は適切ではない」と主張。物価2%目標が「しっかり達成されるとはっきりする時点まで、現在の緩和は続けていく」と、市場にくすぶる早期の政策調整議論を否定した。

<米中貿易摩擦、世界経済への影響注視>

もっとも、大規模緩和の長期化が金融機関の利ざや縮小など収益圧迫を通じて、金融仲介機能や金融システムに悪影響を及ぼすリスクも高まっている。

総裁は「現時点で金融仲介機能にマイナスの影響が出ているとは思っていない」としたが、金融仲介機能などに与える影響を「十分注視し、必要に応じて対応する」考えを表明した。

また、米中間の貿易摩擦に対する懸念が世界的に広がっていることに関しては、一般論としながらも「保護主義的な政策は、自国の輸入を妨げるデメリットもある」と述べ、「通商政策が世界経済の及ぼす影響を十分注視する」と語った。

伊藤純夫、梅川崇

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