April 27, 2018 / 8:24 AM / 7 months ago

物価達成時期の削除、日銀総裁「市場の誤解招かぬよう」 催促相場を回避

[東京 27日 ロイター] - 日銀は27日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」から、物価2%目標の達成時期を削除した。黒田東彦総裁は同日の金融政策決定会合後に記者会見し、「時期が金融政策と直接リンクしていると誤解される恐れがある」と削除の理由を説明。時期が明示されていれば、達成困難となった際に市場から追加緩和を催促される恐れがあり、こうした「催促相場」を回避する狙いもあるとみられる。

 4月27日、日銀の黒田東彦総裁は、同日公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」から物価2%目標の達成時期を削除したことに関し、市場の誤解を招かないようにするためだったと説明した。一方で、物価目標をできるだけ早期に実現するとのコミットメントには「変わりはない」と強調した。写真は都内で9日撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

決定会合では、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。

今回の会合から初参加となった「リフレ派」の論客でもある、若田部昌澄副総裁は賛成票を投じた。反対したのは片岡剛士審議委員で、引き続き「10年超の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう、長期国債の買い入れを行うことが適当」と主張した。

現行政策の維持が市場予想に沿うものだった一方、「展望リポート」から物価達成時期が削除されたことは注目を集めた。

日銀は13年4月の量的・質的金融緩和の導入後、これまでに物価2%の達成時期を6回先送りしている。今年1月の「展望リポート」では「2019年度ごろになる可能性が高い」としてきたが、今回はこの記述を全て落とした。

削除の理由を問う質問が集中した記者会見で、黒田総裁は「達成時期が変化した時には金融政策も変化するという誤解」を招かぬよう、市場との対話の観点から削除を決定したと繰り返し説明。「特定の達成時期を念頭に置いて金融政策を運営しているわけではない」との考えを示した。

2%の物価安定目標の早期実現を目指す方針は変わらないとした上で、「中長期的な目標に変更したというわけではない」と強調した。

個人的見解として「19年度ごろに物価が2%程度に上昇率を高めるとの見方に変わりはない」とも述べた。

過去の決定会合では、表立って表現の削除を巡る議論が交わされたことはないが、政策委員会内では、達成時期が明記されていることで追加緩和を催促されかねない状況を回避したいとの意識が高まっていたとみられる。

また、黒田総裁は物価目標達成に向けたリスク要因として、需給ギャップの改善や失業率の低下にもかかわらず、中長期の予想物価上昇率が上がらないことを挙げた。「日本ではフォワードルッキングな期待形成がやや弱いようにみられる」と分析しつつ、「デフレマインドがなくならないというリスクなどを十分注意していく必要がある」と語った。

*内容を追加しました。

梅川崇、伊藤純夫

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