June 15, 2018 / 8:14 AM / a month ago

上がらぬ物価、日銀総裁「生産性向上も一因」 7月会合で詳細分析

[東京 15日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は15日、金融政策決定会合後の記者会見で、物価が想定通りに上がらない要因について、企業や家計に残るデフレ心理とともに企業の生産性向上が背景にあるとの見方を示した。7月に新たに示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、物価が勢いを欠く背景について詳細な分析を行う考えだ。

 6月15日、日銀の黒田総裁(写真)は、金融政策決定会合後の記者会見で、足元の物価について伸び率が「幾分縮小している」との認識を示した。都内の日銀本店で撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

直近の全国消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)は前年比0.7%の上昇。2カ月連続で上昇幅を縮小し、日銀が掲げる2%には、なお距離があることが浮き彫りになった。

実体経済が好調にもかかわらず、物価の伸びが鈍い要因について、黒田総裁は企業の生産性向上が一因と見る。非製造業を中心に省力化投資が進み、生産性が上がっていることは「長期的に見れば好ましい」とする一方、「短期的には物価が上がらないことのひとつの要素」と指摘した。

グローバル化や技術革新の影響で、賃金や物価の動向把握が複雑化しているとの議論にも触れた。

ただ、先行きについては「労働市場のスラックや生産性の上昇余地はいずれ縮み、賃金上昇が物価に素直に反映されていくことになる」と述べ、物価2%に向けたモメンタム(勢い)は維持されていると強調した。総括検証を再度行うことは否定した。

日銀は14─15日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持を決めた。

黒田総裁は、貸し出し利ざやの縮小を通じて、金融機関の収益力が低下し得る副作用を認めたが「現時点では、金融仲介機能に大きな問題は生じていない。金融システムの安定性もしっかり確保されている」と述べた。

そのうえで現行の政策枠組みは「持続可能なものだ」とし、直ちに政策を見直す考えはないとの認識を示した。

利上げを決定した米連邦準備制度理事会(FRB)や、年内に量的金融緩和策を終了する欧州中央銀行(ECB)との方向性の違いについて「金融政策は、各国の経済・物価動向に即して、適切に進められていくものだ」と述べるにとどめた。

米国の利上げの影響は「新興国全体に及んでいる状態ではない」と分析した。

日銀の出口戦略についても問われたが、黒田総裁は、物価2%がなお遠い現状を踏まえ「現時点で正常化や出口の手法を語るのは時期尚早」と重ねて表明した。

*内容を追加しました。

梅川崇 編集:田巻一彦

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