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後継者のために最善でないことするのはあり得ない=黒田日銀総裁

 3月15日、日銀の黒田東彦総裁(写真)は、衆院・財務金融委員会で、債券市場の機能度低下を是正してから退任すべきだったのではと問われ、「(自身の)後継者のためにその時点では最善でないことでもやることはあり得ない」と述べた。写真はワシントンで2019年10月撮影(2023年 ロイター/Carlos Jasso)

[東京 15日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は15日、衆院・財務金融委員会で、債券市場の機能度低下を是正してから退任すべきではと問われ、「(自身の)後継者のためにその時点では最善でないことでもやることはあり得ない」と述べた。

野田佳彦議員(立憲民主党・無所属)が、4月に任期満了となる黒田総裁に対して「せめて国債市場のひずみぐらいは直していってほしいと思った」と述べたことに対する答弁。

黒田総裁の任期満了前最後の会合となった9―10日の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持を全員一致で決定。10年物国債金利の変動幅はプラスマイナス0.5%で据え置いた。しかし、決定会合にかけて、市場では政策修正やイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃思惑がくすぶっていた。

黒田総裁は、債券市場の機能度への配慮から国債補完供給の要件緩和や長期金利の変動幅拡大などの対策を講じてきたと説明。「今後もさまざまな手段を有効に組み合わせて適切な市場調節運営をすることで、時間はかかるものの市場機能は改善していく」と語った。

野田議員が2%物価目標を掲げ異次元緩和を推進することで人々のインフレ期待に働きかける戦略は「だめだったのではないか」とただしたのに対しては、「半ば成功した」と反論した。

黒田総裁は物価が持続的に低下する意味での「デフレ」ではない状況になったことや、予想物価上昇率の上昇を挙げ「期待に働きかけることに意味はあるし、一定の効果はあった」と述べた。

(和田崇彦 編集:青山敦子)

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