November 19, 2018 / 7:34 AM / a month ago

金融機関、赤字継続ならリスクテーク慎重化 経済への影響注視=日銀総裁

 11月19日、黒田東彦日銀総裁(写真)は、都内で講演し、低金利環境の長期化や競争激化を背景に地域金融機関の収益力の低下が進む中、当期損益の赤字が継続する場合は金融機関の「リスクテークが慎重化する傾向がある」と述べ、金融機関収益を通じた実体経済への影響に注意が必要と語った。都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 19日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は19日、都内で講演し、低金利環境の長期化や競争激化を背景に地域金融機関の収益力の低下が進む中、当期損益の赤字が継続する場合は金融機関の「リスクテークが慎重化する傾向がある」と述べ、金融機関収益を通じた実体経済への影響に注意が必要と語った。

総裁は「人口動態の変動と金融セクターの課題」をテーマに講演を行った。

人口・企業数の減少は、借り入れ需要の減退や金融機関間の競争激化などを通じて金融機関の預貸金利ざや縮小、収益減少を招いているが、総裁は「直ちに金融サービスの需要の先細りを意味する訳ではない」と指摘した。

資産形成や相続に対する需要を高めるとともに、企業による新たな事業展開や技術開発を促す面もあるためだ。もっとも、家計・企業のニーズの変化や技術革新に適切に対応できなければ「人口減少は収益機会の減少に直結していく」とも語った。

また、金融機関の収益減少が続く中で、「リスクテークが過度に積極化する可能性にが注意が必要」と指摘。適切なリスク管理が行われていなければ、景気悪化につながるような大きなショックが発生した場合、「信用コストが急激に上昇し、金融システムが不安定化する可能性も考えられる」と警鐘を鳴らした。

すでに地域金融機関では、本業収益の減少を背景に自己資本比率も「緩やかな低下傾向にある」。こうした中でショックが発生し、「自己資本比率が大きく下振れたり、当期純利益の赤字が継続したりする場合には、金融機関のリスクテーク姿勢が慎重化する傾向がある」と述べ、「金融面から実体経済に及ぼす影響も含め、注意していく必要がある」と語った。

その後の質疑では、白川方明・前日銀総裁の著書「中央銀行」に対する評価を求められた。

黒田総裁はデフレ期の日本の金融政策は失敗だったとの見方を示したうえで、自身が2013年4月に打ち出した大規模な金融緩和によって日本経済は回復したと主張。

依然として物価2%目標を実現していないものの、大規模緩和は成功したとし、「現在の金融緩和を継続し、プラスの需給ギャップを維持することで、いずれインフレ率は2%になる」と語った。

伊藤純夫

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