December 20, 2018 / 8:29 AM / 5 months ago

長期金利、許容レンジ内ならマイナスも「問題ない」=日銀総裁

[東京 20日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は20日、金融政策決定会合後の記者会見で、一時0.010%を付けるなど低下傾向となっている長期金利について、欧米の長期金利が低下する中で日本の長期金利も低下しているとし「これ自体は何ら問題にするところではない」と述べた。また、仮にマイナスとなった場合でも、7月の決定会合で決めた上下0.2%の範囲内ならば、問題ないとの認識を示した。

 12月20日、日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で、一時0.010%を付けるなど低下傾向となっている長期金利の動向について、欧米の長期金利が低下する中で日本の長期金利も低下しているとし「これ自体は何ら問題にするところではない」と述べた。写真は日銀本店で9月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

黒田総裁は、長期金利低下が欧米市場に連動して起きていることに触れ「海外の長期金利の動向を反映して低下していること自体はおかしなことでも何でもない」と述べた。

仮にマイナスとなった場合の認識については「金利の先行きを予測するのは適切でない」としたうえで、7月の会合で、従来上下0.1%だった変動幅を倍に広げたことに触れ、「その範囲でマイナスになってもそれ自体問題ない」とした。

ただ、金利が経済・物価、内外の金融市場の動きを反映していることが必要、とも付け加えた。

世界的な株安について、総裁は「投資家のリスク回避姿勢が強まったために、日本を含む内外の株式市場では、現在でも若干振れの大きな展開が続いている」と指摘。ただ、企業収益見通しがしっかりしているほか、経済のファンダメンタルズにも大きな変化はないなかで「為替市場も比較的安定した動きを続けている」とし「市場も世界経済に大きな変化が起きているとはみてないのではないか」との見方を示した。

<物価の一時的押し下げ要因、予想物価への影響を注意>

来年になると、足元の原油価格下落の影響や幼児教育無償化、携帯電話料金の引き下げなど物価の押し下げ要因が控えている。黒田総裁はこうした要因は「一時的なインパクト」と述べた。

ただ、2014年夏頃から16年にかけて原油価格が下落した際に、予想物価上昇率が低下したことがあり「そうした点には十分注意していく必要がある」と警戒感を示した。

<物価モメンタム維持に必要なら、追加緩和検討>

米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱問題、米国の金融政策動向など海外経済のリスクは高まっている。ただ、黒田総裁は「さまざまなリスクに注意を払う必要はあるが、現時点では、わが国の景気が先行き緩やかな拡大を続けるという中心的な見通しに変化はない」と述べた。

物価面でも「物価安定目標の実現に向けたモメンタムは維持されている」とし、消費者物価の前年比は2%に向けて徐々に上昇率を高めていくとの見通しをあらためて示した。ただ、総裁は「将来、物価安定目標の実現に向けたモメンタムに必要と判断されれば、適宜・適切に追加緩和を検討していくことになる」と述べた。

「手詰まり感がある」ともされる追加緩和手段については、短期政策金利の引き下げ、長期金利目標の引き下げ、資産買い入れの拡大、マネタリーベース拡大ペースの加速など「まだまだある」とし「そうした事態になった時に適切に判断して行うことになる」と述べた。

一方、大規模緩和からの出口戦略については「あくまでも2%の物価安定目標の達成を最大の使命として金融政策を運営している。現時点で出口を探るということはまったくない。出口について具体的に議論することは時期尚早」とした。

そのうえで、2%の物価安定目標は政府との共同声明にも盛り込まれており「2%の物価安定目標を実現することがわれわれにとっての目標。それに向けて必要な金融緩和を続けていくことに尽きる」と述べた。

*内容を追加しました。

清水律子

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