for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

ウィズコロナ時代の金融政策、検討深める必要=若田部日銀副総裁

 9月2日 日銀の若田部昌澄副総裁(写真)は佐賀県金融経済懇談会であいさつし、ウイズコロナ時代の金融政策の在り方について検討を深めていく必要があると述べた。2019年2月、アイルランドのダブリンで撮影(2020年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

[佐賀市/東京 2日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は2日、佐賀県金融経済懇談会であいさつし、ウイズコロナ時代の金融政策の在り方について検討を深めていく必要があると述べた。新型コロナウイルスの世界的流行で総需要が減退し、中長期的に自然利子率が低下する場合には、実質金利を引き下げなければデフレ圧力が掛かり得ると指摘した。

若田部副総裁は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ率が「一時的に」2%を上回ることを容認し、長期的に平均2%の目標達成を目指すとともに、最大雇用の確保を図る新戦略を発表したことに言及。「日銀でも、海外中銀における議論の状況なども参考にしつつ、ウイズコロナ時代の金融政策の在り方について、検討を深めていくべきだ」と話した。

コロナショックの物価への影響については、過去のパンデミック後の動向を分析した研究を引用しながら、景気に対して緩和的でも引き締め的でもない自然利子率が「20年程度かけて低下し、さらに20年程度かけて流行前の水準に戻るとの傾向が示されている」と指摘。「自然利子率が下がる中では、それに合わせて実質金利を引き下げないと、経済にデフレ圧力が掛かり得る点にも注意が必要だ」と述べた。一方で、大規模な財政政策が自然利子率に引き上げ圧力を掛けるという研究にも触れた。

若田部副総裁は、感染症で総需要に下押し圧力が掛かることなどで「当面はインフレ率が低下するリスクに警戒する必要がある」と指摘。その上で「物価の上振れ、下振れ両リスクに対応するために、日銀としては物価安定目標に引き続き強く関与していくことが必要だ」と述べた。

若田部副総裁はあいさつで、コロナ後の政策対応を振り返り「日銀の強力な金融緩和措置は効果を発揮している」と強調。リーマン・ショック時の経験と教訓を生かして、迅速な対応、中央銀行間の協調、政府との協調などを一段と心掛けたと述べた。当面は感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を講じていくとした。

若田部副総裁は、今回のような経済危機では、財政政策と金融政策の連携・協調が必要不可欠だと指摘。ただ、政府と中銀には役割分担があり、中銀の基本的な役割は流動性供給だと述べた。

経済情勢の迅速な把握に有効な、日次の売り上げデータや世界文化遺産の旅行者数などの高頻度データについては「公的統計、企業ヒアリング、さらには中長期的な傾向を見極めるための歴史分析などとともに、高頻度データを効果的に組み合わせて、政策決定の判断に生かしていくことが重要だ」と話した。

和田崇彦 編集:内田慎一

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up