January 8, 2020 / 10:39 AM / 12 days ago

アングル:需給ギャップ、先行きマイナスの可能性 中東緊迫で日銀に試練

1月8日、日銀が試算する需給ギャップが12四半期連続のプラスとなった。2019年1月、日銀本店前で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - 日銀が試算する需給ギャップが12四半期連続のプラスとなった。リーマン・ショック前の2005年10―12月期から2008年7―9月期の連続記録に並んだが、19年10―12月期には小幅マイナスに転じる可能性が出ている。米国とイランの対立がさらに激化すれば、経済対策による需給ギャップ押し上げ期待が吹き飛ぶリスクもあり、需給ギャップのプラスを金融政策維持の判断理由としてきた日銀に難しい局面が迫っている。

19年7―9月期の需給ギャップはプラス1.02%と4―6月期のプラス1.03%からほぼ変わらず。人手不足を反映し、労働投入ギャップはプラス0.51%と4―6月期のプラス0.46%から拡大したが、資本投入ギャップはプラス0.58%からプラス0.51%に伸び悩んだ。

需給ギャップは日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差だ。国内総生産(GDP)から推計する内閣府に対し、日銀は生産設備の稼働率や失業率・労働参加率などから試算している。

このため、日銀の需給ギャップは内閣府のものと比べてGDPとの連動性が薄いとみられているが、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは2019年10―12月期の需給ギャップは「若干マイナスになる可能性がある」とみている。

10―12月期のGDPが、米中貿易摩擦や消費増税、大規模自然災害の影響で大幅なマイナスに落ち込むとみられているためだ。前回、2014年4月の消費増税時には需給ギャップがマイナス転換した。14年1-3月期はプラス0.68%だったが、4-6月期にマイナス0.02%になると10―12月期までマイナス圏で推移した。

<中東情勢の緊迫化、かく乱要因に>

需給ギャップの先行きには「濃霧」も立ち込めている。中東情勢の緊迫化がかく乱要因だ。米─イランの対立がホルムズ海峡の封鎖に発展すれば、原油の輸入が遮断され、日本の実体経済に大きな影響を及ぼす。昨年後半に弱い鉱工業生産指数が続いたことで、日銀内では今年1―3月期の景気回復の足取りが鈍くなるとの懸念も出ている。

日銀の黒田東彦総裁は昨年12月の会見で、政府の経済対策による実体経済への好影響に期待感を示した。「政府支出が国内需要を下支えする、あるいはその伸びを高める効果もあるだろう」と述べたほか、物価についても「需給ギャップの押し上げを通じ、プラスの影響を与える」と指摘した。

日銀は、物価のモメンタムを見るうえで需給ギャップを重視し、需給ギャップがプラス圏推移を続けていることで、物価モメンタムが維持されているとしてきた。しかし、日を追うごとに中東情勢は緊迫の度を強めており、情勢次第では政府の経済対策への期待がはげ落ちるリスクもある。

編集:石田仁志

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