August 3, 2018 / 12:37 AM / 3 months ago

日銀6月会合、副作用の議論増加 「顕在化前の対応を」=議事要旨

[東京 3日 ロイター] - 日銀が3日公表した6月14─15日の金融政策決定会合の議事要旨によると、大規模な金融緩和を続けることに伴って生じる副作用を指摘する声が多く出ていたことが分かった。金融仲介機能に与える影響に加え、国債市場の流動性低下の問題が議論され、1人の委員は「副作用が顕在化する前から対応を検討しておくことが必要」と訴えた。

 8月3日、日銀が公表した6月14─15日の金融政策決定会合の議事要旨によると、大規模な金融緩和を続けることに伴って生じる副作用を指摘する声が多く出ていたことが分かった。写真は会見場に入る黒田日銀総裁。4月に東京で撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

日銀は7月の決定会合で、こうした副作用に対応するため、長期金利の変動幅の拡大を容認するなど、金融緩和の持続性を高める措置を打ち出した。

これに先立つ6月会合は、当面の金融政策運営に関し、副作用を懸念した意見が目立った。まず、金融緩和を継続する場合の効果と副作用について「多面的な点検・評価を継続していくことが重要」と「多くの委員」が指摘。4月の時点で同様の見解を表明していたのは「何人かの委員」で、その数が増えたことが分かる。

低金利環境の長期化が金融仲介機能に与える影響を懸念した声も、4月の「複数の委員」から6月は「何人かの委員」にやや広がった。

さらに、6月会合では、日銀の大規模な国債買い入れが市場の流動性低下を招いている現状に触れる委員も出た。何人かの委員は「国債市場の流動性や機能度に及ぼす影響に言及し、最近、こうした影響がさまざまな形で目に付くようになってきている」と述べた。

また、ある委員は「新発債の業者間取引が不成立になる日が増えてきている」と指摘し、別のある委員も、次回会合で「国債市場への影響などについても、あわせて点検・議論していくことが必要」との認識を示した。

長期金利の操作に当たっては「市場調節をより弾力的に運営していくことも重要」(1人の委員)とする意見も出た。

上場投資信託(ETF)買い入れを巡る副作用について「あらゆる角度から検討を続けるべき」と求めたのは「ある委員」だけで、4月と変わらなかった。

<政策の持続性を意識>

会合では物価2%目標に向けた足取りの評価も行った。大方の委員は、需給ギャップの改善や予想物価上昇率の今後の高まりなどを踏まえ、物価の「モメンタム」(勢い)は維持されているとの現状認識を共有した。

これに対し、ある委員は、現実の物価が伸び悩んでいる局面では「モメンタムが維持されているとの説明は分かりにくいため、情報発信面での何らかの工夫が必要」と主張した。

物価上昇が加速せず、金融緩和政策の長期化が避けられない中で、ある委員は「経済・金融環境に深刻なゆがみが生じることがないよう注意しながら、持続性に十分配慮した政策運営を行うべきである」と述べた。

政策対応を巡って「短期間で需要を無理に押し上げるような政策は必ずしも適当ではない」、「追加緩和の実施によりできるだけ早期に物価安定の目標を達成することの重要性が高まっている」と、委員の方向性の違いが浮き彫りになる場面もあった。

海外経済のリスクでは、複数の委員が米国の保護主義的な通商政策について言及したほか、ある委員からは、米国の自動車関税引き上げが日本の輸出に与える影響を懸念する声が出た。

*内容を追加しました。

梅川崇

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