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中曽日銀副総裁、長期金利「ゼロ%程度」堅持の構え 春闘に期待
2017年2月9日 / 03:41 / 9ヶ月後

中曽日銀副総裁、長期金利「ゼロ%程度」堅持の構え 春闘に期待

[高知市 9日 ロイター] - 日銀の中曽宏副総裁は9日、高知市内で講演し、日銀が近い将来に長期金利の操作目標を引き上げるとの見方が出ていることに対して、現局面では強力な金融緩和を粘り強く推進していくことが重要と述べ、現行の「ゼロ%程度」を堅持していく考えを示した。物価2%目標の実現にはなお距離があるとし、春闘での賃上げに期待感を表明した。

 2月9日、日銀の中曽宏副総裁(写真)は、高知市内で講演し、日銀が近い将来に長期金利の操作目標を引き上げるとの見方が出ていることに対して、現局面では強力な金融緩和を粘り強く推進していくことが重要と述べ、現行の「ゼロ%程度」を堅持していく考えを示した。写真は都内にある日銀本店で2015年4月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

中曽副総裁は、昨年9月に導入したイールドカーブ・コントロール(YCC)を柱とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」について、経済・物価に対する見方が好転した場合でも金利上昇を抑制することで、実質金利の低下などを通じて「金融緩和の効果を増幅する機能がある」と説明した。

海外金利の上昇を受け、市場の一部に「日銀が近い将来、長期金利操作目標の引き上げを検討するとの見方がある」ことを紹介しながら、「2%の物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されているものの、力強さを欠いており、その実現にはなお距離がある」と指摘。

経済・物価の見通しは「引き続き下振れリスクが大きい」とし、「現在の局面においては、強力な金融緩和を粘り強く推進していくことが、何よりも重要」と強調した。

足元の物価は「やや勢いを欠いた状況が続いている」が、先行きは需給ギャップの改善や、原油価格の持ち直しと円安などに伴って「人々の中長期的な予想物価上昇率も高まっていく」との見通しを示した。

賃金と物価の相関性の高さを踏まえ、特に「春闘の動向に大変注目している」と指摘。高水準の企業収益や労働需給の引き締まりの中で「賃金が上昇する環境は十分に整っている」と述べ、賃上げに強い期待感を表明した。

これまでは原油価格の下落が実際の物価の押し下げを通じて予想物価上昇率を抑制してきたが、今後は原油価格の上昇や円安が「予想物価上昇率の引き上げにつながれば、消費者物価上昇率が持続的に高まることになる」との見解を示した。

日本経済は緩やかな回復基調を続けているものの、先行きのリスク要因として「特に海外経済の動向に関する不確実性には注意が必要」と強調。

トランプ米新政権の経済政策については「減税やインフラ投資などの積極的な財政運営によって、経済成長率や物価上昇率が高まる方向に作用する」との見方を示し、米金利の上昇が新興国を含めた国際金融市場に与える影響に注視が必要と語った。

伊藤純夫 編集:内田慎一

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