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物価目標は未達成、金融緩和修正する理由全くない=日銀会合主な意見

[東京 8日 ロイター] - 日銀が10月27―28日に開催した金融政策決定会合で、他国の政策動向にかかわらず、日本で2%の物価目標を達成していないもとでは「金融緩和を修正する理由は全くない」といった意見が出されていたことが明らかになった。新型コロナウイルスの感染拡大による民間部門の資金繰りへの影響については、売り上げの低迷が続く一部業種や中小企業に限定されつつあるとの指摘があった。

 11月8日、 日銀が10月27―28日に開催した金融政策決定会合で、金融政策の正常化とは、他国の政策動向にかかわらず日本で物価安定目標を安定的に達成することであり、2%の物価安定目標を達成していないもとでは「金融緩和を修正する理由は全くない」といった意見が出されていたことが明らかになった。写真は日銀本店。2020年5月22日、東京で撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

日銀は同会合で、金融政策の現状維持を賛成多数で決めた。一方で、米連邦準備理事会(FRB)が11月にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始することを決めるなど、日銀と海外中銀の政策スタンスの違いが鮮明になっている。

10月の決定会合では「基調的なインフレ率が依然として低い日本では、ペントアップ需要が高まる局面でも、これまでの極めて緩和的な金融政策を粘り強く継続していくことが重要」との指摘が出ていた。「現状ではインフレ圧力の強まりが日本全体の経済厚生を低下させる可能性は低い」といった見方も示されていた。

ある委員は、交易条件悪化の影響を緩和するために、企業が原材料価格の上昇を国内の販売価格に転嫁しやすい経済環境を整える必要があると述べた。

外国為替市場での円安進展については「各国の物価上昇率や金融政策スタンスの違いを反映している」との指摘が出る一方で、為替や資産価格は金融政策を行う上での重要な経路だが、「それ自体が目標ではない」といった意見も出された。

<資金繰り問題、一部業種や中小企業に限定>

日銀は来年3月末を期限に民間部門の資金繰りを支援する特別プログラムを行っている。早ければ12月の決定会合で、期限延長の是非を決めるとみられる。

10月の決定会合では、新型コロナ感染症の資金繰りへの影響について「売り上げの低迷が続く業種や中小企業に限定されつつある」との指摘が出された。この委員は、企業金融の改善の裾野が広がっていくかどうか、12月短観などの関連データを点検したいと述べた。

社債等の買い入れについては「大企業の資金繰りが改善を続けていくもとでは、価格決定メカニズム等の市場機能や年金・生保等の運用に与える影響にも一層の配慮をしていく必要がある」との意見が出ていた。

<感染急減、経済上振れリスクも>

日銀は決定会合で「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を取りまとめた。会合では「感染症の新規感染者が急速に減少し、ワクチン接種も進展するもとで、感染症による経済の下振れリスクが低下する一方、早期の経済正常化による上振れリスクを意識する必要がある」といった意見が出された。

中国の電力供給制約の長期化については、中国経済や世界のサプライチェーンに影響が拡大しないか注視が必要だとの指摘があった。

(和田崇彦 編集:山川薫)

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