June 20, 2019 / 3:07 AM / 3 months ago

日銀、金融政策の据え置き決定 海外経済巡る下振れリスクを注視

[東京 20日 ロイター] - 日銀は19─20日に開いた金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持を賛成多数で決定した。景気の総括判断は「基調としては緩やかに拡大」で据え置いたが「海外経済を巡る下振れリスクは大きい」とし、企業や家計のマインドに与える影響を注視していく姿勢を示した。

 6月20日、日銀は19─20日に開いた金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持を賛成多数で決定した。写真は都内にある日銀本店前で2016年3月撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

<米政策運営や保護主義などリスク>

景気については、輸出や生産面で海外経済減速の影響がみられるものの、所得から支出の前向きの循環メカニズムが働く下で「基調としては緩やかに拡大している」とした。海外経済についても「減速の動きがみられるが、総じてみれば緩やかに成長している」との見方を維持した。

個別項目についても、輸出や生産で「足元では」という文言が外れ「弱めの動きになっている」となった以外は、設備投資は「増加傾向」、個人消費は「振れを伴いながらも緩やかに増加している」などの判断を据え置いた。

リスク要因としては、米国のマクロ政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、保護主義的な動きの帰すうとその影響、それらも含めた中国を始めとする新興国・資源国経済の動向、IT関連財のグローバルな調製の進捗状況、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の展開やその影響、地政学的リスクを挙げた。その上で「こうした海外経済を巡る下振れリスクは大きいとみられ、わが国の企業や家計のマインドに与える影響も注視していく必要がある」と指摘した。

消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は「0%台後半となっている」とし、予想物価上昇率は「横ばい圏内で推移している」との判断を維持。

先行きは、需給ギャップがプラスの状態を続けることや、中長期的な予想物価上昇率が高まることなどによって「消費者物価の前年比は2%に向けて徐々に上昇率を高めていく」との見通しを据え置いた。片岡剛士審議委員は「先行き2%に向けて上昇率を高めていく可能性は現時点では低い」として、こうした記述に反対した。

<資産買い入れも維持>

長短金利目標と上場投資信託(ETF)など、資産買い入れの目標額は変わらず。長期金利は「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」、ETFと不動産投資信託(REIT)は「市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうる」との方針を維持。長期国債の買い入れ額についても、保有残高の年間増加額を「80兆円をめど」としつつ、「弾力的な買い入れ」を継続する。

4月に明確化した、「当分の間、少なくとも2020年春頃まで、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」という、政策金利に関するフォワードガイダンスも維持した。

2%の物価安定目標の実現を目指して「これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する」ことをあらためて表明し、経済・物価・金融情勢を踏まえて「物価安定目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」とした。

YCCに対しては、前回会合に続いて原田泰審議委員と片岡審議委員が反対票を投じた。原田委員は、長期金利の変動許容は「金融市場調節方針としてあいまい過ぎる」としたほか、片岡委員は、先行きの経済・物価情勢に対する不確実性がさらに強まる中「金融緩和を強化することが望ましい」として反対した。フォワードガイダンスについても、原田委員と片岡委員が反対した。

午後3時半からは黒田東彦総裁が記者会見を行い、政策について説明する。

*内容を追加しました。

清水律子 伊藤純夫 編集:田中志保

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