December 21, 2017 / 8:52 AM / 7 months ago

日銀総裁会見:識者はこうみる

[東京 21日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は21日の金融政策決定会合後の記者会見で、現行のイールドカーブの形状について「適切」と指摘し「変える必要があると思っていない」と述べ、「景気がいいからそろそろ金利を上げるという考えはない」とも明言した。市場関係者の見方は以下の通り。

 12月21日、日銀の黒田東彦総裁(写真)は、金融政策決定会合後の記者会見で、現行のイールドカーブの形状について「適切」と指摘し「変える必要があると思っていない」と述べ、「景気がいいからそろそろ金利を上げるという考えはない」とも明言した。写真は日銀で21日撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

<大和証券 シニアストラテジスト 石黒英之氏>

市場で取り沙汰されている出口戦略への思惑は後退した。出口に関する言及どころか、実際はよりハト派的な内容だった。会見を受け為替は円安に振れている。取り急ぎリスク資産の買い入れを減らすような感じもない。日本株に対して悪い材料ではない。

今年は企画局の人事が動いた1年。しばらく大きな政策変更はないというメッセージと受け止めることもできた。日銀は個人消費や設備投資は良好だが、物価の基調自体は依然として弱さが残るという判断を示している。基本的には粘り強く現行の政策スタンスを維持していくこととなるだろう。

<クレディ・アグリコル銀行 外国為替部長 斎藤裕司氏>

ドル/円は日足一目均衡表の雲上限、ユーロ/円は9月以降止められてきたポイントを上抜け、チャート的に上向きを示していた。黒田総裁が想定外にタカ派的な話をすれば円買いに振れる可能性があり午前は動きがとれなかったが、会見をうまく乗り切って円売りが始まった。

11月のスイス・チューリッヒ大学での講演で「リバーサル・レート」に言及した際には、来春にもイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正が行われるとの思惑がでたが、今回、会見で現行のイールドカーブの形状について「変える必要があるとは思っていない」と述べた。修正は最低でも来春以降になると考えられ、近々の日本の金融政策変更による円高リスクはやや後退した。

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニアマーケットエコノミスト 六車治美氏>

11月にリバーサルレートに言及したことは、近い将来の金利誘導水準の引き上げの地ならしではなかったことが、ある程度はっきりしたと思う。学術的な分析であり、イールドカーブ・コントロール(YCC)政策に関して見直しが必要ということは全く考えていないことが分かった。低金利、低ボラティリティーのため、市場参加者からは枠組みや水準を変えてくれるという期待が、日銀が思っている以上に広がってしまったが、今回の記者会見で地ならしではないということが明確になった。

「景気がいいからそろそろ金利を上げるという考えはない」という発言からは、やはり物価ということで、日銀が想定したシナリオに比べると弱く、引き続き粘り強く金融緩和を推進していく考えにある。

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