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日銀、金融政策を現状維持 消費復調の兆しで景気判断据え置き

[東京 28日 ロイター] - 日銀は27─28日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、供給制約や夏場の消費不振で2021年度の成長率見通しを引き下げたものの、緊急事態宣言の解除で個人消費に持ち直しの兆しが出てきていることなどから足元の景気判断を据え置いた。

日銀は27─28日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。写真は日銀本店。2015年6月、東京で撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

<賛成多数で金融政策は現状維持>

政策金利の目標は賛成8、反対1で据え置きを決定した。短期金利は、引き続き日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%の金利を適用する。長期金利は、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買い入れを行う。片岡剛士委員は長短金利引き下げで金融緩和を強化することが望ましいとして反対した。

長期国債以外の資産買い入れ規模も据え置いた。当面、上場投資信託(ETF)は年12兆円、不動産投資信託(REIT)は年1800億円の残高増加ペースを上限に必要に応じて購入する。

コマーシャルペーパー(CP)・社債は2022年3月末まで合計約20兆円の残高を上限に買い入れを行う。

日銀は2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する。当面は感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を講じると改めて表明。政策金利は、現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移すると想定しているとした。

<供給制約の拡大・長期化に警戒感>

展望リポートでは、21年度の実質国内総生産(GDP)の政策委員見通しの中央値が前年度比プラス3.4%となり、前回7月時点のプラス3.8%から引き下げられた。国内景気について、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが「基調としては持ち直している」とし、判断を据え置いた。

日銀は経済の先行きについて、感染症によるサービス消費への下押しの影響が残るほか、輸出・生産は供給制約で一時的に減速すると見込まれるものの、「ワクチンの普及などに伴い感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していく」との見通しを示した。

見通し期間の中盤以降は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが家計部門を含め経済全体で強まる中で、「日本経済はペースを鈍化させつつも潜在成長率を上回る成長を続けると予想される」とした。日銀が推計した潜在成長率は足元でゼロ%程度ないし若干のプラスとなっている。

日銀は引き続き感染症の動向や、それが内外経済に与える影響に注意が必要だと指摘。特に供給制約の影響が想定以上に長引いたり、拡大したりすれば、見通し期間の前半を中心に経済が一段と下振れるリスクがあるとした。また、今後の為替や国際商品市況の動向、輸入物価や国内価格への波及について、引き続き注意してみていく必要があるとした。

消費者物価指数(除く生鮮食品)について、21年度の政策委員見通しの中央値は0.0%で、前回のプラス0.6%から引き下げられた。23年度はプラス1.0%で前回と変わらず、2%目標までなお遠い予想となっている。

(和田崇彦、杉山健太郎、金子かおり 編集:石田仁志)

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