April 19, 2018 / 10:09 AM / 3 months ago

ミドルリスク企業への貸出増を注視、リスク管理強化を=日銀リポート

[東京 19日 ロイター] - 日銀は19日、金融システムの現状と展望をまとめた「金融システムリポート」を公表した。金融機関間の競争激化や超低金利環境の継続、景気回復などを背景に、相対的に信用力が低い、いわゆる「ミドルリスク企業」への貸し出しが増加しており、景気悪化や金利上昇など負のショックが発生した場合に金融機関の「信用コストが急激に上昇する可能性も考えられる」と警鐘を鳴らした。

ミドルリスク企業向け貸し出しは、信用リスクの高さに比べて貸し出し金利や引き当てが不十分なケースがあるとともに、収益性の低い金融機関ほど増加させている傾向がみられるとも分析し、リスクに応じた適正な金利設定や、引き当ての適切性の検証などでリスク管理強化の重要性を訴えている。

<引当率リーマン並み上昇なら、37先がコア業純半減>

近年の金融機関は、地域の人口、企業数の減少による競争激化や、日銀による超低金利政策の長期化を背景に業容と収益の確保を求めて貸し出しを積極化させており、景気回復とともに高まっているミドルリスク企業の資金需要に対応している。

日銀は、こうした金融機関の貸し出し姿勢自体は「景気の緩やかな拡大を支えている」と評価しているが、金融活動が積極化する中、今回のリポートでは増加を続ける貸し出しの「質」について詳細な分析を行った。

特に景気回復に伴う企業収益の改善などによって企業のデフォルト率が低下する中で、企業の財務と貸出金利の関係も「企業の信用リスクに見合わない事例も存在する」と指摘。

ミドルリスク企業向け貸し出しの増加に伴って、低採算な企業への貸し出しも増加しており、中小企業向け貸し出し全体に占める低採算先貸し出しの比率は2010年度の17%を直近のボトムに、16年度には25%まで上昇している。

こうした低採算先への貸し出しは、自己資本比率が高い金融機関が積極的に行っている一方、基礎的な収益力が低下している金融機関ほど「収益維持を図るため、低採算先への貸し出しを増やすインセンティブがある」ことも判明。

低採算の企業でも債務者区分において「正常先の下位に分類されているとみられる」と指摘。過去最低水準で推移している現在の正常先の引当率がリーマンショック時並みに上昇した場合、37の地域金融機関でコア業務純益が50%以上減少するとの試算も示した。

伊藤純夫

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