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国債増でも利息収入減少、利回り低下で5年ぶり=日銀16年度決算
2017年5月29日 / 09:24 / 6ヶ月後

国債増でも利息収入減少、利回り低下で5年ぶり=日銀16年度決算

[東京 29日 ロイター] - 大規模な金融緩和の推進によって日銀の保有国債残高が増加を続けているにもかかわらず、国債の利息収入が5年ぶりに前年に比べて減少した。マイナス金利政策の導入もあり、日銀保有国債の運用利回りが低下を続けていることが要因だ。日銀が29日に発表した2016年度決算で明らかになった。

 5月29日、大規模な金融緩和の推進によって日銀の保有国債残高が増加を続けているにもかかわらず、国債の利息収入が5年ぶりに前年に比べて減少した。写真は日銀本店。2016年7月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon/File Photo)

16年度決算によると、日銀資産のうち、保有国債の17年3月末残高は417兆7114億円となり、400兆円を超えて過去最高を更新。前年の349兆1955億円から19.6%の大幅増となった。

日銀は昨年9月の長期金利をゼロ%程度に誘導するイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の導入後も、保有国債残高を年間約80兆円増加させる方針を維持。大規模な国債買い入れを継続している。

もっとも、保有国債の増加にもかかわらず、利息収入は頭打ちが鮮明になっている。特に16年1月のマイナス金利政策の導入後は、残存期間の長い国債の利回りが急速に低下。過去に購入した相対的に高い利回りの国債の償還もあり、16年度の保有国債の運用利回りが0.301%と過去最低を更新するなど利回り低下が続いている。

また、日銀は額面を上回る価格で購入した国債の価格が満期時に額面と一致するよう、毎年均等に利息調整を行っている。額面を上回る価格での国債買い入れが常態化する中、16年度の利息調整額はマイナス1兆3076億円となり、15年度のマイナス8739億円からマイナス幅が拡大。

利息調整を加えた16年度の「国債利息収入」は1兆1869億円となり、15年度の1兆2875億円から1005億円の減少となった。国債の利息収入が前年比で減少するのは2011年度以来、5年ぶり。QQE導入後では初めてとなる。

<ETFの含み益、過去最高>

日銀は会計上、保有国債の評価方法について償却原価法を採用しているため、時価の変動が損益に反映されることはないが、17年3月末の保有国債の含み益は9兆6315億円となり、前年の15兆2200億円から減少した。

一方、上場投資信託(ETF)は同3月末の時価が15兆9303億円となり、含み益は過去最最高の2兆7692億円となった。前年は1兆1984億円だった。

16年度決算の損益状況は、為替市場の円高修正の動きを受けて外国為替関係損益の損失額が前年比で縮小したなどを背景に、経常利益は前年比3326億円増の1兆0952億円となった。

大規模緩和の推進と出口における収益平準化を図るために拡充した債券取引損失引当金を4615億円積み立てた。この結果、最終利益に当たる当期剰余金は5066億円となり、前年比956億円増と2年ぶりに増加した。

このうち法定準備金の積み立てと配当金を除いた4813億円を国庫に納付。自己資本比率は8.07%と前年度末の8.05%から小幅上昇した。

*内容を追加しました。

伊藤純夫 竹本能文

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