September 24, 2019 / 8:18 AM / 24 days ago

政策運営、リスク予防的・保険的な対応を意識=黒田日銀総裁

 9月24日、黒田東彦日銀総裁(写真)は、大阪市内で講演し、今後の金融政策運営について、リスク予防的・保険的な対応を意識するという点では米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と同様のスタンスにあるとの認識を示した。7月に東京の日銀本部で撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[大阪市 24日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は24日、大阪市内で講演し、今後の金融政策運営について、リスク予防的・保険的な対応を意識するという点では米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と同様のスタンスにあるとの認識を示した。その上で「2%の物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合は、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」とあらためて強調した。

黒田総裁は足元の状況について「海外経済の減速が続き、その下振れリスクが高まりつつあるとみられるもとで、物価のモメンタムが損なわれる恐れに、より注意が必要な情勢になりつつある」と指摘。海外経済の持ち直し時期については「年後半から来年にかけて」との見方を示したものの、「想定より遅れる可能性を意識する必要がある」と警戒感も示した。

そうした状況の中で「特に注意が必要なのは、需給ギャップの動向だ」と指摘。「海外経済の下振れリスクが顕在化すれば、輸出の弱さが長引くことや企業の投資スタンスが慎重化することなどによって、日本経済の成長率が大きく鈍化する恐れがある」と懸念を示した。その場合は「需給ギャップの下振れを通じて、物価安定の目標に向けたモメンタムに影響が及ぶ可能性がある」という。

現時点では「消費者物価の前年比は、2%に向けて徐々に上昇率を高めていく」との見通しは崩していないが、「物価の中心的な見通しは下振れリスクの方が大きい」と厳しい見方を示した。

日銀はこうした情勢を踏まえ、「展望リポート」を公表する次回の金融政策決定会合で、経済・物価動向を改めて点検する方針を示している。黒田総裁は足元の状況について「このところ、米中通商交渉の進展への期待から、投資家のリスク回避姿勢は幾分後退しつつあるなど、状況は目まぐるしく変化している」と説明。点検の結果については「現時点では予断を持っていない」と強調した。

先行きの金融政策運営については「現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みが今後も前提になる」と語った。

金利の経済・物価への影響については「短中期ゾーンの金利の効果が相対的に大きいとの認識に変化はない」とする一方で「超長期金利が過度に低下すれば、保険や年金などの運用利回りが低下し、マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性がある」と超長期金利の過度な低下をあらためてけん制した。

黒田総裁は低金利政策の弊害にも言及し、「政策のベネフィットとコストをしっかりと比較衡量したうえで、適切な措置を考えることが重要だ」と説明。「低金利環境がさらに長期化することになれば、金融仲介機能や市場機能に及ぼす影響など、政策のコストにも一段と留意が必要になる」と語った。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below