July 1, 2019 / 12:26 AM / 5 months ago

日銀6月短観、米中摩擦懸念で製造業2期連続悪化 景気に足踏み感

[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した6月全国企業短期経済観測調査(短観)よると、大企業・製造業の景況感は2期連続で悪化した。前回3月調査から5ポイント悪化し、16年9月調査以来の低水準となった。5月に入って激化した米中貿易摩擦や中国経済の減速、低調なIT関連需要などが影響した。ただ、先行きは、米中貿易摩擦やIT需要の回復期待などから、横ばいが見込まれており、市場では日本経済について足踏み状態との評価が聞かれている。

 7月1日、日銀が発表した6月全国企業短期経済観測調査(短観)よると、大企業・製造業の景況感は2期連続で悪化した。写真は川崎市の京浜工業地帯で2009年6月に撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

大企業・製造業はプラス7に悪化した。ロイターがとりまとめた民間調査機関予測ではプラス9が見込まれていたが、これを下回った。非製造業はプラス23で、前回調査から2ポイント改善した。改善は2四半期ぶり。これは、事前予想のプラス20を上回った。

製造業は、金属製品や生産用機械、電気機械などの加工業種を中心に悪化した。「米中貿易摩擦や中国経済減速の影響、IT関連向け需要の減少などを指摘する声が幅広く聞かれた」(日銀幹部)という。

一方で非製造業は、オリンピック関連需要や被災地向けリース案件などで物品賃貸が改善。さらには、宿泊・飲食サービスでは大型連休の需要の盛り上がり、小売では好調なインバウンドの効果などが聞かれた。

先行きは大企業・製造業がプラス7で足元から横ばい、同非製造業がプラス17で、足元から悪化が見込まれている。非製造業の先行き悪化見込みの背景として、人手不足や人件費高、オリンピック需要の一服などの指摘が出ているという。

大企業・全産業の2019年度の設備投資計画は前年比7.4%増で、民間調査機関の予測の同8.9%増を下回った。

18年度が同7.3%増(3月調査では13.9%増)に下方修正されたことを受け、19年度計画の伸び率は同7.4%増(3月調査は同1.2%増)に高まった。ただ、設備投資額は前回調査から非製造業が1.7%下方修正されるなど、大企業・全産業では0.1%の下方修正となっている。

日銀幹部は、19年度の計画について「過去平均よりも高い水準で推移している」と述べている。

需給判断をみると、大企業・製造業の海外での製商品需給判断(需要超過─供給超過)はマイナス7となり、前回調査のマイナス5から供給超過幅が拡大。大企業・製造業は国内需給もマイナス8と供給超過幅が拡大しており、米中貿易摩擦への懸念など海外要因を受けて「製造業を中心に需給は若干緩んでいる」(日銀幹部)という。

需給ギャップ動向の参考となる生産・営業用設備判断(過剰─不足)も全規模・全産業でマイナス3となり、3年ぶりに需給が緩む動きとなった。

大企業・製造業の19年度の想定為替レートは1ドル109.35円と、前回調査から円安方向に修正された。

6月短観について第一生命経済研究所・主席エコノミストの新家義貴氏は「日本経済全体として足踏みしているが、底割れには至っていない状態」と分析。

日銀の金融政策への影響に関しては「今回の短観が引き金で追加緩和ということにはならないが、緩和の可能性が完全になくなったわけではない。為替次第だろう」と指摘している。

*内容を追加しました。

清水律子 伊藤純夫 編集:内田慎一 グラフ作成:田中志保

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