August 29, 2018 / 3:22 AM / 21 days ago

どんな良薬にも副作用、金融政策の影響注視=鈴木日銀審議委員

[那覇市 29日 ロイター] - 日銀の鈴木人司審議委員は29日、那覇市で講演し、長期化する強力な金融緩和の弊害を注視すべきだと語った。金融政策運営そのものに対しては肯定的な見方を示しながらも、「どんな良薬にも副作用がある」と指摘。国債市場や金融機関への影響を「虚心坦懐に見極めていくことが、政策を継続する上で重要」と語った。

 8月29日、日銀の鈴木人司審議委員(写真)は、那覇市で講演し、長期化する強力な金融緩和の弊害を注視すべきだと語った。写真は都内で昨年7月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

鈴木委員は、金融政策の効果がもたらされる時間軸と、副作用が累積する時間軸が異なる点を認識した政策運営が求められると強調。副作用がいずれ現れてしまうと「手遅れとなるリスクがある」とし、中長期的な視点で政策の費用対効果を見極める必要があると述べた。

日銀は7月の金融政策決定会合で、金融緩和の長期化に備え、政策の枠組みを修正した。長期金利の変動幅を従来の倍程度とする方針を決めたが、鈴木委員は「金利水準の引き上げを意図しているわけではない」と指摘。長期金利が多少上昇しても、「金融機関の貸出や社債市場に与える影響は限定的」との見方も併せて示した。

金利については「市場で決まるもの」と述べ、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の下でも「日銀はその金利操作目標に向けて、市場を通じて誘導を図っていく」とした。

副作用を巡っては、国債市場の流動性低下に加え、金融機関への影響にも触れた。鈴木委員は「金融政策は金融機関のために行うものではない」とする一方、「金融政策の効果を経済に波及させていく役割を担うのは金融機関」とも述べ、金融システムや金融仲介機能への影響を注視する必要があると説明した。

物価の足取りが鈍い背景については、少子高齢化の中で将来不安が根強いためと分析。ただ、物価上昇を遅らせてきた要因の多くは「次第に解消していく」とし、物価2%に向けた勢いは維持されているとの見方を示した。「『物価だけが上がればよい』というものではなく、賃金の動向についても注視し続けていかねばならない」とも語った。

海外経済のリスク要因としては、米国の保護貿易やそれに対する各国の報復措置で「世界の貿易量の減少や国際金融市場への影響が懸念される」ことを挙げた。

梅川崇

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