February 28, 2019 / 3:21 AM / 7 months ago

政策の「持久力」必要、金融機関収益の悪化懸念も=鈴木日銀委員

[水戸市 28日 ロイター] - 日銀の鈴木人司審議委員は28日、茨城県水戸市で講演し、今後は金融政策の「持久力」が必要になってくるとし、「走り続ける意志」や「柔軟性」が重要と述べた。同時に、金融政策効果を発揮するためにも金融機関の「持久力」のモニタリングも重要になるとし、景気後退時の金融機関の加速度的な収益悪化懸念などを踏まえ、金融機関のリスクテイク姿勢や経営動向を注視する姿勢を示した。

 2月28日、日銀の鈴木人司審議委員(写真)は、茨城県水戸市で講演し、今後は金融政策の「持久力」が必要になってくるとし、「走り続ける意志」や「柔軟性」が重要と述べた。写真は都内で2017年7月撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

<国債買い入れオペの金額の適切な調整も>

鈴木委員は、金融政策の持久力を高める上では、先行きの政策運営スタンスを明確にし、政策への信認の確保・維持を図るほか、適度な柔軟性を持たせることが重要と指摘。さらには「効果とコスト、副作用の比較衡量を図りつつ、そのパフォーマンスをできるだけ高い状態で維持し続けることが重要」と述べた。この観点から、国債買い入れオペによって市中に残存する国債残高の減少傾向が続いている点を挙げ「今後も市中に残存する国債残高が減少を続ければ、金融機関によっては保有国債残高が徐々に必要最低限の水準まで近付いていくことが予想される。状況に応じて、各回の国債買い入れオペの金額についても適切な調整を図ることが重要」との考えを示した。

<金融機関の持久力もモニタリング重要>

鈴木委員は、金融政策の「持久力」を高める上では、金融機関が金融仲介機能を十分に発揮できるよう、金融機関の「持久力」についても「きめ細かくモニタリングをしていくことが重要」とした。

地銀や信用金庫では、都銀を上回る貸出の伸びを示しており、相対的にリスクの高いミドルリスク企業向けや不動産賃貸業向けの貸出も見られると指摘。今後、景気後退局面になった場合、こうした貸出先の経営悪化が信用コストとして顕現化する恐れがあるほか、貸し倒れ引当金の積み増しが必要となり「金融機関における加速度的な収益悪化の要因となり得る点に注意が必要」と警鐘を鳴らした。

そのうえで「地域金融機関も含めた金融機関のリスクテイク姿勢や経営の動向については、金融システムや金融仲介機能への影響という観点から引き続き注視していきたい」との姿勢を示した。

物価動向については、需給ギャップがプラスを維持していることで「マクロ的な需給という観点では経済は需要超過の状態が続いており、物価に対して押し上げ方向の力が作用している」とした。

また、ミクロ面からの物価変動についても「足もとも家庭用小麦粉やアイスクリーム、ペットボトル飲料、冷凍・冷蔵食品などに値上げの動きがみられており、裾野が拡がっていけば、先行きの物価上昇に向けた足掛かりができていく」と指摘。

さらには、企業・家計のマインドにも少しずつ変化が生じることで「物価上昇に向けた材料が次第に整っていく」とした。物価安定目標に向けたモメンタムは引き続き維持されており、2%に向けて徐々に上昇率を高めていく、との見方を示した。

清水律子

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