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日銀総裁会見のポイント:点検の狙いと効果、目指すイメージは

[東京 19日 ロイター] - 19日午後3時半から予定されている黒田東彦日銀総裁の会見では、日銀が本日公表した効率的・持続的緩和実施のための点検について、その政策的効果と市場への影響についてどのように言及するのかが最大の焦点になる。中でも上昇を続ける米長期金利の影響が日本市場に波及しそうになった場合、日銀がどのような対応を取るのかについて明確な方針を示すのか。そうした点に大きな関心が集まりそうだ。

 3月19日、黒田東彦日銀総裁(写真)の会見では、日銀が本日公表した効率的・持続的緩和実施のための点検について、その政策的効果と市場への影響についてどのように言及するのかが最大の焦点になる。写真は2019年12月、日銀本店で撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

ワクチン接種が他の主要7カ国(G7)に比べて遅くなっている日本について、対面型産業の回復の遅れが、日本経済全体にどのようなマイナス効果を及ぼすのかについても、具体的な言及があるのか注目されそうだ。

1.効率的・持続的緩和の実施のための点検、目的と政策的効果は何か。

・上場投資信託(ETF)の買い入れについて、もともとあった6兆円のメドは撤廃された。日経平均が2万8000円台から3万円の水準で推移した場合、購入額はゼロなのかどうか。また、どういう状況になると買い入れするのかについて、黒田総裁が具体的に言及するかが注目される。

・長期金利の変動幅を明確化し、上下に0.25%幅で変動しうると明記した。市場の一部には、日銀が金利上昇を容認したと受け止め、日経平均は19日午後に下げ幅を拡大している。黒田総裁がこの変動幅の明記と、直近の政策運営とは別であり、コロナ禍が残る中では、イールドカーブの低位安定を目指し、金利上昇は容認しないと明言するのかどうかに市場の関心が集まっている。

・連続指値オペ制度の導入も打ち出した。米長期金利の上昇が継続し、日本の国債利回りが上昇傾向を強めた場合、使用されると予想される。その運用方針や米長期金利上昇の遮断を明確に言明するのかどうか。日銀の本記度を測る上で関心を集めそうだ。

・貸出促進付利制度の新設も発表した。全く新しいスキームだけに市場には、どのように具体的な運用が展開されるのかイメージしにくいとの声が出ている。具体的な例示を行って、どこまでマイナス金利深掘りの実効性を市場に納得させることができるのか。黒田総裁が得意とする「市場との対話力」が試されそうだ。

2.点検結果と市場反応に対する見解

・結果発表後に日経平均の下げ幅が拡大した。株価下落には直接言及しないとみられるが、緩和政策の持続的で効率的な実施が、景気回復への道筋を明確化することになると政策効果を強調する可能性がある。

・日銀が注視している為替市場の動きは、今のところ小さい。何らかの理由で円高が進めば、追加緩和のきっかけになりかねないだけに、為替変動と景気の先行きでどのような見解を黒田総裁が表明するのかもポイントだ。  

3.ワクチン接種が遅れた場合のリスク

・政府は新型コロナワクチンの接種に向け、6月中に1億回分の確保にメドが立ったと表明しているが、主要国に比べて遅れていることは否めない。対面型のサービス業などの回復がいつになるのか、日本経済の今年後半に向けた回復がどのような軌跡になりそうなのか。黒田総裁は強気の見方を示すことが多く、今回も楽観的な見方が示されるのかにもBOJウオッチャーの視線が集まるかもしれない。

4.対立する米中関係と世界経済

アラスカでの米中対話は双方の主張がぶつかり、米国の対中経済制裁の撤廃は難しそうな情勢だ。グローバル経済が回復基調を鮮明にする中で、米中の戦略的な対立が経済の足を引っ張るほどの緊張を生むのかどうか。国際情勢の分析にも定評のある黒田総裁が何らかのコメントを表明すれば、市場の注目を集めそうだ。

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