March 7, 2018 / 6:07 AM / 4 months ago

追加緩和是非、物価目標達成の後ずれ度合いで判断=若田部氏

[東京 7日 ロイター] - 日銀の次期副総裁候補に指名された若田部昌澄・早稲田大学教授は7日午後、参院議院運営委員会で所信表明と質疑を行い、追加緩和の是非は、現在の日銀が2019年度を予定している2%の物価目標達成が「どの程度後ずれするかで判断する」と述べた。追加緩和の手段として、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の強化のほかに、新たな政策手段も考えうると語った。

 3月7日、日銀の次期副総裁候補に指名された若田部昌澄・早稲田大学教授は、参院議院運営委員会で所信表明と質疑を行い、追加緩和の是非は、現在の日銀が2019年度を予定している2%の物価目標達成が「どの程度後ずれするかで判断する」と述べた。写真は衆議院の公聴会に参加する若田部氏。5日撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

<追加緩和、新たな手段も>

現行のYCCの枠組みでは、「国債、多様な資産、金利操作の3つの追加緩和手段がある」が、手段は「これらに限定しない」と指摘した。0.1%のマイナス金利の更なる引下げの是非についてはコメントを控え、「技術的には引下げ引き上げの双方が可能」とした。

5日の衆院議運で「緩和手段に限界はない」と発言しているが、「理論的には限界がないと述べた。実際には条件やタイムフレーム次第だ」と釈明した。

政府・日銀の掲げる政策目標として、名目600兆円のGDP(国内総生産)や、物価目標の2%からの引き上げ、物価水準目標などについて日銀で議論することも可能との見解を示した。

また、直近2.4%まで下がっている失業率は「さらに改善できる」とも指摘した。

財政政策は政府の所管としつつ、経済学者の立場として「2014年の消費税引き上げは、成長率低下や物価目標達成頓挫など、無視できない影響があった」「ベースマネー拡大による期待転換を打ち消した」と分析した。

2019年に予定されている消費増税も「学者として懸念してきた」と明言。影響について「軽減税率や補正予算を勘案して分析が必要」と述べた。

デフレが長期化した日本経済では「財政再建にも時間がかかると考えるのが自然」とし「経済再生なくして財政再建はありえない」「基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化を急ぐ必要はないと過去に発言したのは事実」と強調した。

<ヘリマネ、提唱したの事実>

また、若田部氏は学者としてヘリコプターマネー政策の導入を提唱していたのは事実であると述べた。「日銀による国債の直接引き受けは禁じられている」としつつ、ヘリマネの本質は「財政政策と金融政策が同じ方向を向くことと理解している」と指摘。「財政と金融政策のシナジーは日銀執行部も異論はないはず」と語った。

最低限の生活コストを政府が提供するベーシックインカムについて「政策としてよい方向」と評価しつつ、実現には「米国並みに歳入庁の整備が必要」との考えを示した。

アベノミクスは、株・不動産などの資産を保有していない人に恩恵が少ないとの批判があるが「低所得者と資産保有者にほぼ同時に水が染みわたるように恩恵があった」と反論した。

学者としての著書で提言した「影の金融政策決定会合」については、「民間による政策提言の場」と説明。政府が日銀をコントロールするための提言ではないと説明した。

どのような経緯で副総裁候補に指名されたかとの質問についてはコメントを控えた。

*内容を追加しました。

竹本能文 伊藤純夫 編集:田巻一彦

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