December 5, 2018 / 2:51 AM / 7 days ago

経済に下押しあれば、デフレに戻る懸念=若田部日銀副総裁

[新潟市 5日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は5日、新潟市で講演し、足元の物価上昇率が1%程度であることで「再び経済の下押し圧力があると、デフレに戻ってしまうかもしれない」と懸念を示し、2%の物価上昇率を目指した大規模緩和継続の必要性を指摘した。

 12月5日、日銀の若田部昌澄副総裁(写真)は、新潟市で講演し、足元の物価上昇率が1%程度であることで「再び経済の下押し圧力があると、デフレに戻ってしまうかもしれない」と懸念を示し、2%の物価上昇率を目指した大規模緩和継続の必要性を指摘した。写真は都内で3月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

若田部副総裁は、「量的・質的金融緩和」導入以前に比べると「物価情勢の改善は明らか」と述べた。ただ、物価安定目標の2%には距離がある。

そのため「2%の物価上昇率を目指して大規模金融緩和を今後も継続し、景気の改善を十分に長く持続させることで「経済の適温」まで物価上昇率の高まりを促していく」との方針をあらためて示した。

また、金融緩和を続けていく上においては「物価に対する効果だけでなく、金融市場・金融システムへの影響も間断なく点検することが必要」と指摘。そのことによって、政策の持続性を向上させ、結果として、2%の蓋然(がいぜん)性を高めることになるとした。

日銀が2%の物価上昇率を「物価安定の目標」としてコミットしていることは「日銀の約束であり決意表明。この約束が守られる限り、あのデフレの時代を繰り返すことはない」と述べた。

<何故、物価上昇率2%を目指すのか>

若田部副総裁は、物価安定を部屋の「適温」に例え、何故、2%を目指すのかを説明した。

物価上昇率がゼロ%程度の状況では「金利操作を通じた金融政策の対応余力は限られる」と指摘。そうしたもとで、何らかの要因で経済に下押し圧力が加われば景気の停滞や物価の下落が長期化するリスクがあるとし、「経済の適温、すなわち中央銀行が目指すべき物価上昇率は、文字通りのゼロではなく、物価下落にならないための余地を確保した、ある程度のプラスである」と述べた。

また、他国が2%を目指すなか、日本も2%を目指すことで「長期的には為替相場の安定を通じて、企業の意思決定をしやすくし、安心して企業活動を継続できる環境づくりに貢献する」とした。

若田部副総裁は「日本は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっている」と述べ、物価の先行きについては「景気の拡大基調が続くもとで、徐々に上昇率を高めていくと想定している」との見通しを示した。

<米中通商摩擦の帰すうは注意>

海外経済動向をはじめとするさまざまなリスク要因の中でも「米中間の通商摩擦の帰すうについては、なお注意が必要」と述べた。

現時点では「内外経済に与える影響は限定的」としながらも、「問題が複雑化し、長引くことがあれば、貿易面での悪影響が徐々に広がるだけでなく、企業の投資マインド悪化や金融市場のセンチメントの慎重化という経路を通じて、世界経済への下押し圧力が強まっていく可能性がある」とした。

*内容を追加しました。

清水律子

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