June 27, 2019 / 3:33 AM / 24 days ago

現行の政策枠組み維持が適切=若田部日銀副総裁

[青森市 27日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は27日、青森県金融経済懇談会で講演し、世界的な低金利・低インフレの下で、世界の中央銀行で金融政策の枠組みを巡る議論が進んでいるなか、日銀は、現時点で「現在の枠組みを維持していくことが適切」と述べた。そのうえで「2%の物価安定目標の持続的達成に向けて必要な時点まで、金融緩和を維持していく方針」との姿勢をあらためて示した。

 6月27日、日銀の若田部昌澄副総裁(写真)は、青森県金融経済懇談会で講演し、世界的な低金利・低インフレの下で、世界の中央銀行で金融政策の枠組みを巡る議論が進んでいるなか、日銀は、現時点で「現在の枠組みを維持していくことが適切」と述べた。写真は都内で昨年3月撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

<2%の物価目標切り下げはデフレ圧力に>

若田部副総裁は、金融政策の枠組みについて「現時点では2%の物価安定目標を明確に示したうえで、その実現に向けて金融緩和を進めていくという現在の枠組みを維持していくことが適切」とした。そのうえで「より良い金融政策を求めて、日銀も十分に研究しておく必要がある」とも述べた。

物価安定目標としている「2%」は国際標準であることから、「この目標を切り下げたりすると、人々の期待や為替・資産価格等の変動を通じて、デフレ圧力がかかることになる」とし、堅持する必要性を示した。

若田部副総裁は「デフレに陥る事態が二度と起きないように、しっかりと政策運営を行っていきたい」と述べた。

副総裁は、物価目標達成前の金利引き上げはかえって景気後退をもたらすため、「経済・物価情勢が正常化しないならば、金融政策の正常化もない」と指摘。景気悪化時の緩和余地確保のための正常化論をけん制した。

低金利長期化の副作用として挙げられる地域金融機関の経営問題については、人口減少や高齢化、技術革新、グローバル化、企業部門の貯蓄超過などの「構造的要因」が背景にあると説明。今後の収益向上に向けて「リスクに応じた適正な貸出金利の設定、役務収益の増加など預貸ビジネスへの過度な依存からの脱却、経営効率の抜本的な改善などが望まれる」とし、デジタル技術の活用、金融機関間の統合・提携や他業態とのアライアンスも「有効な選択肢になり得る」と指摘した。

<米中貿易摩擦の長期化、企業マインドなど通じて世界経済下押し>

足元の景気は、内需が底堅く推移していることから「緩やかな拡大基調を維持している」とし、先行きについても「内需が堅調さを維持するもとで、海外経済の成長率も幾分高まっていくことから、基調として緩やかに拡大していく」との見通しを示した。

ただ「最近、こうした景気のメインシナリオを巡る下振れリスクには一段の注意が必要になっている」と指摘。なかでも、米中貿易摩擦は、先端技術争いや安全保障など経済を超えた大きな問題が絡んでおり「短期間で抜本的に解決することは難しいかもしれない」との懸念を示し「仮に、この問題が長期化・常態化するようなことがあれば、関税引き上げの直接的な影響に加え、企業の投資マインド悪化や金融市場のセンチメントの慎重化という経路を通じても、世界経済への下押し圧力が強まる可能性がある」とした。

また、仮に世界経済の減速が長期化すれば「内需への下押し圧力も徐々に強まっていく」としたほか、10月に予定されている消費増税についても「内需、ひいては経済・物価に下押し圧力をもたらす可能性がある」との懸念を示した。

清水律子 編集:内田慎一

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