August 7, 2014 / 2:58 AM / 6 years ago

日銀固定金利オペ応札が増加、短国からシフトする銀行に別の思惑も

[東京 7日 ロイター] - 札割れが多発していた日銀の固定金利方式の資金供給オペ(金融市場調節、固定金利オペ)で、応札が増え始めるという「珍現象」が起き、7月末のオペでは札割れを回避した。背景には、超人気の短期国債運用から固定金利オペに金融機関が資金をシフトさせている事情があるようだ。

 8月7日、札割れが多発していた日銀の固定金利方式の資金供給オペで、応札が増え始めるという「珍現象」が起き、7月末のオペでは札割れを回避した。写真は日銀。2012年11月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

その裏にはTIBOR(東京銀行間取引金利)低下を嫌う銀行勢が、短国レート低下を回避するために動いているのではないかとの思惑も浮上している。

主として期間3カ月の資金を0.1%と低利で貸し出す日銀の固定金利オペは、金融機関が資金を潤沢に持っているため、札割れが頻発していた。日銀のバランスシートに占める固定金利オペの残高は、量的・質的金融緩和(QQE)開始直前である昨年3月末に21.6兆円あったが、今年7月末には約10.5兆円まで縮小している。

ところが、今年7月25日に日銀が実施した固定金利オペでは、1兆円の供給予定額に対して1兆0060億円の応札があり、2013年12月以来初めて札割れが回避された。

7月中旬以降は札割れが生じたオペも、応札倍率が0.6倍─0.8倍などと従来の0.5倍未満から上昇傾向にある。

金融機関の資金需要は弱いうえ、調達が必要な場合であっても現金担保付き債券貸借(レポ)取引金利の翌日物は、0.06%程度にとどまっている。あえて0.1%の固定金利オペで資金調達をする合理的な理由は見い出しにくい。

市場では、固定金利オペの応札回復は「不思議な現象」(SMBC日興証券・金利ストラテジストの土井俊祐氏)とみられている。

一部の市場関係者からは「短期国債の金利が過度に低下するのを懸念した金融機関が、札を入れているとみられている」(東短リサーチ・研究員の寺田寿明氏)との指摘も出ている。

日銀のQQEは、さまざまな資産買い入れや資金供給によって年末までにマネタリーベース(資金供給量)を270兆円まで膨らませる政策。買い入れ資産別では、長期国債の買い入れ目標を190兆円と明示しているものの、固定金利オペや短期国債の買い入れなど短期資金供給は、目安を公表していない。

実際には固定金利オペの残高減少を短期国債の買い入れで穴埋めしており、短国保有残高は昨年3月末の34兆円から今年7月末の52兆円まで膨らんでいる。

その上、短国は日米欧の中央銀行による金融緩和の余波で余剰資金の投資先としても需要が旺盛なため、品薄状態が続き、7月10日には新発3カ月物がマイナス金利を付けた。

短国の過度な金利低下は「TIBORの低下など、金融機関にも影響を及ぼす」(寺田氏)ことから、メガバンクなどが固定金利オペに応札し始めたとの見方が台頭している。

銀行関係者も「短国がマイナス金利を付けたころから、固定金利オペの応札が増え始めたのは事実」(メガバンク)と述べている。

竹本能文 編集:田巻一彦

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