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日銀は追加緩和見送り、円高急進し株価は急落

[東京 28日 ロイター] - 日銀は28日の金融政策決定会合で現行のマイナス金利付量的・質的緩和政策の現状維持を決めた。熊本地震で影響を受けた金融機関向けに東日本大震災で導入した低利貸出制度の適用を決めた。

 4月28日、日銀は現行のマイナス金利付量的・質的緩和政策の現状維持を決定。景気や物価は下振れリスクが大きいとして2%の物価目標達成時期を延期したが、追加緩和を見送ったため、急激な円高・株安が進んだ。会見する黒田総裁(2016年 ロイター/Thomas Peter)

景気や物価は下振れリスクが大きいとして2%の物価目標達成時期を延期したが、追加緩和を見送ったため、急激な円高・株安が進んだ。

<2%達成時期を「2017年度中」に延期>

日銀は今回の決定会合で2016年度の物価見通しを従来の0.8%から0.5%へ大幅に引き下げ、2%の物価目標達成時期を従来の「2017年度前半」から「2017年度中」に、事実上後ずれさせた。景気・物価の見通しについても「下振れリスクは、引き続き大きい」とした。

日銀の政策発表後、市場は急激な円高、株安で反応。ドル/円は111円台後半から一時108円台まで急落、夕方にかけては一時107円台まで下値を伸ばした。日経平均株価は624円安の1万6666円で引けたが、米市場での日経平均先物は1135円安と暴落した。

<「金融機関のため政策やってない」、マイナス金利批判に反論>

こうした市場の動きににもかかわらず追加緩和を見送った理由について黒田東彦総裁は「所得から支出への前向きな循環メカニズムは維持されているため」と説明。さらに、金融市場が不安定であり、マイナス金利による金利低下による企業などの「前向きな変化が現れにくい」として、「今回の会合では、政策効果の浸透度合いを見極めていくのが適当と判断した」と説明した。

市場では、マイナス金利による金融機関の収益悪化を和らげるため、マイナス金利での金融機関への貸出の導入が取りざたされたが、総裁は「現時点では考えていない。今回も議論していない」とした。

金融機関の間で、マイナス金利が収益を圧迫するとの懸念が根強いことについては「金融政策は金融機関のためでなく、日本全体のためにやっている」と一蹴した。

<市場では「総裁は対話するつもりなさそう」との見方も>

市場関係者の間では、「2017年度の物価見通し(1.7%)が高すぎるため下方修正は時間の問題。7月に追加緩和に踏み切っても不思議でない」(SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミスト 岩下真理氏)として、期待をつないだ点を評価する向きもあるが、驚きを持っての受け止めが多数。

「国内外の市場が大きく変動してきたなかで、熊本地震が発生し、消費者物価指数も下落している。追加緩和をやってもおかしくない客観的な状況があったにもかかわらず、今回は見送った。こうした流れでは、追加緩和に対し、今後高い期待は持てない」(大和証券 日本株上席ストラテジスト 高橋卓也氏)、「円高・株安が大幅に進行したが、総裁は市場と対話するつもりはなさそうに見受けられた」(みずほ証券 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏)といった指摘が聞かれた。

竹本能文、伊藤純夫

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