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コラム

コラム:世界的な債券利回り上昇、今回は根拠十分

[ロンドン 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 市場は時として、短期的な波乱よりも抑制された動きの方が重要な意味を持つことがある。最近の世界的な債券利回りの上昇がその好例だ。

 10月28日、市場は時として、短期的な波乱よりも抑制された動きの方が重要な意味を持つことがある。最近の世界的な債券利回りの上昇がその好例だ。写真はアイルランドの店舗内にあるキャッシュレジスター。14日撮影(2016年 ロイター)

10年物英国債利回りは9月末から2倍近くに上昇して1.3%となった。これは英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利した翌日の6月24日以来で最高だ。米国とドイツの10年国債利回りも5月以来の高値に達した。昨年の急上昇ぶりに比べれば劇的ではないが、意味合いははるかに大きい。

ドイツ10年国債利回りは昨年、わずか2カ月弱で0.05%から1.06%まで急騰する場面があった。経済面の材料が出たわけではないのに、売りが売りを呼んで雪だるま式に上昇した末、突然動きが止んだ。これに対し、今回は利回り上昇の正当な根拠がいくつかある。

第1に物価圧力が高まっている。米国とユーロ圏では、長期的な予想物価上昇率を反映する金融市場の指標が上昇した。ポンドの下落が輸入物価が押し上げるとみられている英国では特に上昇ぶりが目覚ましい。5年先から始まる5年間の予想物価上昇率を示す英国の指標は、この3カ月で3.49%から3.99%に上昇した。

第2に、英国とユーロ圏の景気は全般に投資家の予想を上回って推移している。景気見通しが好転すればイングランド銀行(中央銀行、BOE)と欧州中央銀行(ECB)による追加緩和の必要性は薄れる。金融緩和は長らく債券相場を下支えしてきた。一方、米国では追加利上げが視界に入っている。

第3に、景気刺激の役割が徐々に金融政策から財政政策へとシフトしている。財政支出を拡大すれば国債発行が増え、国債利回りの上昇を伴うのが普通だ。

先進国の国債利回りは最近上昇したとはいえ、なお非常に低い。しぶとい債券強気派なら、経済指標が悪化して英国とユーロ圏が追加緩和に動き、米国で利上げが遅れることをあてにすることもできるだろう。しかしこの想定は、意味不明で気まぐれな利回り上昇の反転を頼みにする以上に危険な賭けだ。

●背景となるニュース

・10年物英国債利回りは28日に1.3%をつけた。トムソン・ロイターのデータでは、これは英国民投票の翌日に当たる6月24日以来の最高水準。

・ドイツと米国の10年国債利回りはそれぞれ0.217%、1.877%と、5月以来の高水準をつけた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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