December 21, 2018 / 11:17 PM / in 3 months

コラム:トランプ氏が対中交渉で勝つための「3つの方法」

[19日 ロイター] - ドナルド・トランプ氏が大統領選への出馬を正式に表明した15年6月、まず最初に言及したのは、中国問題だった。通商面で「彼らは私たちを殺している」と述べ、その解決を約束した。

12月19日、ドナルド・トランプ氏が大統領選への出馬を正式に表明した15年6月、まず最初に言及したのは、中国問題だった。写真は2017年11月、北京でスピーチするトランプ米大統領の手(2018年 ロイター/Damir Sagolj)

就任2年目のトランプ大統領は、米中通商関係の「修復」に力を入れている。あまりにも長く無視されてきたこの問題に米国や西側諸国を目覚めさせた大統領の手腕は評価できる。だがトランプ氏自身の発言や行動によって、問題解決に向けた取り組みが阻害された面もある。

今年に入り、実りなき通商協議が報復関税合戦へと変貌する中で、米中両国は1日、90日間の「一時休戦」を宣言。数十年にわたる「中国の悪しき貿易慣行」と米国が主張する問題を解決する包括的合意に向けて協議すると両国は発表した。

せいぜい幸運を祈ろう。最も交渉経験の豊富なライトハイザー米通商代表部(USTR)代表ですら、期限までに合意に達することには楽観的ではないように見える。

一番重要なのは、中国政府が主導する米国テクノロジーの知財窃盗の問題だ。米政府は現在、この問題を国家安全保障に対する脅威と位置づけている。これにより、米中の貿易関係が90日以内はもちろん、その後も早期に通常の状態に戻る可能性は消滅した。

中国政府に対するこうした見方は、オバマ前政権時代に生まれ、現在では米国の超党派のエスタブリッシュメントの間でも広く共有されている。これは、90日以内にトランプ大統領と中国の習近平・国家主席がなんらかの合意に至ったとしても、それが面目を保つための茶番でしかないことを意味する。

本当の合意は、この問題について協議を続ける、という内容になる可能性が高い。完全な通商断絶や、またそれについて議論することは、双方にとって実現可能性も利益もない。だが中国が習主席の下で始まった現在の強硬かつ対決的な姿勢を続ける限り、トランプ氏も強硬な対応に出ざるを得ないだろう。

米大統領の立場を強化する方法は3つある。

1つは、トランプ大統領が同盟国や友好国との関係を修復することだ。いくつかの同盟国や友好国に対する大統領の言動は嘆かわしいものだった。過去1世紀にわたり、何世代もの米国人がこうしたパートナーの多くと肩を並べて戦ってきた。トランプ氏は、その絆を壊すために当選したのではない。

発言と行動の両面において、外交とリーダーシップが不可欠だ。もしトランプ氏が、多国間関係はコストが高くつくと考えているなら、それを避ければよい。中国の貿易慣行に挑むため、米国には得られる支援がすべて必要になるだろう。

次に、トランプ大統領は中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を巡る捜査を、米司法省に任せなければならない。この問題は、ロイターとのインタビューで言及したような「取引材料」ではない。

米国の忠実な同盟国であるカナダは、米国の法の支配を支持するために全力を挙げている。この件を巡るトルドー首相の発言は、まさに完璧だった。そして中国政府は、事実上の報復としてカナダ人を拘束した。

トランプ大統領が交渉できることは何もない。トランプ氏は、米国がカナダを支持することを、曖昧さのない表現で明言しなければならない。通商交渉は、通商にについてのみ交渉するものだ。

3つ目に、トランプ大統領は今後の展望について、率直に米国民に伝えるべきだ。貿易戦争が長期化したり世界的な貿易の流れが変化した場合に、米国が何の経済的混乱や痛みも感じないとは考えにくい。

国民に対し、当面は困難な時期が続く可能性があるが、経済は力強く、米国の産業界は世界で最も革新的で競争力があるということを伝えなければならない。米国は、新たな状況に適応して乗り越えるだろう。だが国民には心構えが必要だ。

自らの強硬姿勢に支持を集めるためには、トランプ氏は米国人に、中国に対して、今何もしなければ10年後や20年後にはもっと悪い結果を招くと訴えなければならない。そして通商問題は、そのほんの1分野でしかないのだ。

トランプ氏は、米国の世論を、「戦争」に巻き込まなければならない。中国との通商問題に今、対処しなければ、今後数十年、より暗く自由のない世界が続くことになるだろう。

*筆者は経営コンサルタント会社オペラ・アドバイザーズ(クアラルンプール)取締役。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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