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コラム

コラム:巨額罰金のアリババ、頭上に光る中国当局の「鋭い剣」

[香港 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の電子商取引最大手、アリババ・グループは、長い執行猶予期間に入った。自社サイトの出店者が他のプラットフォームに出店するのを禁じたとして科された28億ドルの罰金は、中国の電子商取引の巨人が市場支配力を乱用した罰則としては軽い。しかし、健全な競争を促進せよ、という命令は、深刻なダメージとなり得る一層の変革につながる可能性をはらむ。傘下の金融会社アントの新規株式公開(IPO)の中止と共に、中国当局はテクノロジーの巨人を厳しく取り締まっている。

 中国の電子商取引最大手、アリババ・グループは、長い執行猶予期間に入った。写真は同社のロゴ。杭州で昨年11月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

張勇(ダニエル・チャン)最高経営責任者(CEO)をはじめとする経営陣は12日、規制関連の問題は終わった話と投資家に説明し、アリババの香港上場株は5%上昇した。中国国家市場監督管理総局(SAMR)は4カ月にわたる調査で、2015年から19年の間、アリババの年間売上高がオンライン通販プラットフォーム上位10社の70%超を占めたと結論付け、アリババがライバル会社と取引した出店者に懲罰的行為をしたと批判した。

SAMRの罰金は、アリババがビジネスを行う上での管理可能なコストだ。リフィニティブのデータによると、3月まで3カ月のフリーキャッシュフロー(純現金収支)は50億ドルと予想されている。SAMRが科した罰金は、アリババの2019年の国内売上高のわずか4%相当。この比率は2015年の米半導体メーカー、クアルコム(9億7500万ドル)の半分で、上限の10%を大きく下回る。

それでも、今回の措置でアリババは頭の上に鋭い剣が釣り下がっている状態となった。アリババは今後3年間、毎年自主評価結果を当局に提出しなければならない。調査は、出店者にアリババとだけ取引するよう強制した問題に絞られていたが、当局はアリババに、業界全体の健全な競争とイノベーションの発展を主導することからデータの公開まで、広範なガイドラインに基づく「徹底的な是正」を求めている。

詳細が不明なのは不吉だ。アリババは、中核事業のデータを、出店者が顧客層を広げるのを支援するのに利用したり、物流やクラウドコンピューティングといった新規事業に活用している。曖昧な規制上の要求で、アリババは当局の気まぐれに翻弄(ほんろう)される。

アリババは、拼多多(ピンドゥオドゥオ)など新興勢力にシェアを奪われつつあり、在庫の積み上げや物流へのシフトでマージンが圧迫されている。年間株主収益率は3年間、最大のライバルである京東商城(JDドットコム)の3分の1程度にとどまっている。過去最高の罰金は、中国当局が強力な民間企業の経営に一層の影響力を持つ用意があるというメッセージだ。

●背景となるニュース

*中国、アリババに27.5億ドルの罰金 独禁法違反で過去最高

*アリババ、出店企業との関係変更で重大な影響見込まず=CEO

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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