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コラム

コラム:今年の米広告市場、「巨人」アマゾンが幅を利かす

[ニューヨーク 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 売上高が減った企業は経費を削ることが多く、広告費も削減対象となる。広告会社は新型コロナウイルスの感染流行で得意客の一部が売上高の急減に見舞われており、米市場最大の広告主であるアマゾンAMZN.Oへの依存体質が一層鮮明になりそうだ。

 広告会社は新型コロナウイルスの感染流行で得意客の一部が売上高の急減に見舞われており、米市場最大の広告主であるアマゾンへの依存体質が一層鮮明になりそうだ。写真はアマゾンのロゴ。フランス北部Lauwin-Planqueで4月撮影(2020年 ロイター/Pascal Rossignol)

広告業界は昨年、記録的な活況に沸いた。大手広告代理店WPP傘下のグループエムによると、米国の昨年の広告費は過去最高の2390億ドルだった。しかし今年は状況が一変、政治広告を除き13%減少する見通しだ。世界金融危機後の2009年の16%減ほど激しい落ち込みではないものの、痛手であることは間違いない。

アドエイジ誌が選ぶ広告費の多い米企業上位10社は、昨年の広告費の累計が410億ドルだった。リフィニティブの予測によると、このうちAT&TT.N、ゼネラル・モーターズ(GM)GM.N、ウォルト・ディズニーDIS.Nなど6社は今年、売上高が落ち込む見通しだ。一方、アマゾン、グーグル親会社のアルファベットGOOGL.O、日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)PG.N、CATV大手チャーター・コミュニケーションズCHTR.Oの4社は新型コロナによる打撃が小さい。

上位10社がテレビ、ダイレクトマーケティング、デジタルやソーシャルメディアで展開する広告の売上高比率が昨年と同じだと仮定しよう。Breakingviewsの試算によると、売上高が落ち込む企業は今年、総広告費が8%、20億ドル相当減少する。しかし新型コロナの影響が小さい4社は今年も売上高が増えて、広告費が16%、27億ドル相当増加し、他の6社による減少分を十分穴埋めするとみられる。

実際のところ、ほぼすべてはアマゾン次第だ。同社は昨年の北米での売上高が約1680億ドルに上ったが、うち約4%を広告費に充てた。つまり上位10社の総広告費に占めるアマゾンの比率は17%だったことになる。アマゾンの今年の広告費の対売上高比が昨年と同じなら、10社の総広告費に占める同社の比率は22%に上昇するだろう。

しかも、アマゾンは広告主であるだけでなく、他の企業から広告業務を請け負ってもいる。この分野でフェイスブックFB.Oやグーグル、さらにはFOXFOXA.O、ディズニーなどのテレビネットワークと競合する。つまりアマゾンは、新型コロナの流行を受けて広告市場でより影響力のある顧客になり、広告媒体にとってもより強力なライバルになるということだ。

●背景となるニュース

*大手広告代理店WPP傘下のグループエムは6月16日公表した米広告市場の半期見通しで、今年は政治向けを除く広告の支出が13%減少すると予想した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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