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コラム

コラム:アマゾン支える若者人気、社会問題への配慮必要に

[ワシントン 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - IT(情報技術)業界で長命を保つには若者世代を大事しなければならない。そしてアマゾン・ドット・コムはこの課題に十分留意している。

IT業界で長命を保つには若者世代を大事しなければならない。そしてアマゾン・ドット・コムはこの課題に十分留意している。写真は同社のロゴ。ニューヨークで昨年11月撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

アルファベット傘下のグーグルとフェイスブックが牛耳るオンライン広告の分野で、アマゾンは両雄にとってより強力なライバルとなりつつあり、若者世代の顧客を大量に引き付けてもいる。明るい展望を予感させるが、同時に若者世代が重視する社会的な問題がより重要な考慮の対象になる。

アマゾンはコロナ禍で売上高が押し上げられた半面、サプライチェーン(供給網)のひっ迫で打撃も受けた。28日に発表した第3・四半期決算は売上高が前年比15%増の約1110億ドルと、伸びが鈍った。しかし広告販売を柱とする部門は売上高が約50%増加。売上高全体に占める比率は10%に届かないが、成長ペースは最も速く、利益率の低い小売り部門の収益性向上に貢献している。

アマゾンはオンライン広告市場への進出が遅れたものの、その後は競合他社に追いつきつつある。調査会社イーマーケターによると、オンライン広告の昨年の市場シェアはグーグルの30%近く、フェイスブックの25%に対して、アマゾンが初めて10%を握った。

また、アマゾンは若者の消費者の間で買い物サイトとしても人気が高い。投資銀行パイパー・サンドラーが最近行った調査で、米国の10代の若者1万人のうち約52%が、お気に入りの電子商取引サイトはアマゾンだと回答した。2位は激安ファッションサイト「SHEIN(シーイン)」(9%)だった。さらにコーエンのアナリストが今月発表したレポートでは、「Z世代」と呼ばれる18歳から24歳までの年齢層では60%以上が、好みの買い物手段はアマゾンだと答えた。

つまり、アマゾンはオンライン広告とオンラインショッピングの2つの面で他のIT大手にとって脅威となっているのだ。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は同社の名を冠したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を全面的に見直し、18歳から29歳の年齢層に焦点を当てる方針を発表。また、グーグルは傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」が若者層の獲得に貢献しているが、コーエンの調査によると18歳から24歳の若者が服や靴の検索を始める際にはグーグルよりもアマゾンを使う方が一般的だという。

こうした流れは、倉庫労働者にどう対応するかという問題で、アマゾンにとってより大きな圧力となっている。広告代理店マレンロウの最近の調査をみると、約43%の若者が価格よりもブランドの価値を重視すると回答している。

時価総額1兆7000億ドルのアマゾンが、従業員による組合化の取り組みを抑え込んだり、コロナ禍で従業員からの大量の不満が沸き上がったりしていることに、若者たちは眉をひそめるのではないか。アマゾンは、社会意識の高い投資家に配慮すると同時に、若者層という「利益の泉」を追い求めて、社会意識の高い顧客にも心を砕く必要があるだろう。

●背景となるニュース

*アマゾンが28日発表した第3・四半期決算は売上高が約1110億ドルと、前年同期から15%増加した。リフィニティブによると、アナリストは1120億ドル弱を見込んでいた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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