December 4, 2019 / 2:18 AM / 10 days ago

コラム:遊園地主体の米巨大モール、時代に逆行 集客力に不安

[ニューヨーク 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ニュージャージー州では、時代に逆行するようにショッピングモールに一層力を入れる動きが進行しつつある。同州に建設された巨大モール「アメリカンドリーム」は、まるでドバイにある方がぴったりな、目がくらむほどの大がかりな仕掛けが施された幾つかのテーマパークを備えている。期待されているのは、これらの施設が来場者を増やしてくれることだ。ただ小売市場がインターネットへと急速に移行している以上、集客面で力不足かもしれない。

 米ニュージャージー州では、時代に逆行するようにショッピングモールに一層力を入れる動きが進行しつつある。期待されているのは、これらの施設が来場者を増やしてくれることだが、集客面で力不足かもしれない。写真は11月、ペンシルベニア州の商業施設で撮影(2019年 ロイター/Mark Makela)

アメリカンドリームは完成まで相当な曲折があった。当初「ザナドゥ」の名称を冠したプロジェクトとして始まり、一時は破綻に直面。その後現在米財務長官のスティーブン・ムニューシン氏やコロニー・キャピタル(CLNY.N)のトム・バラック氏ら数多くの支援者を得て、2011年にはミネソタ州とカナダで巨大モールを運営するトリプル・ファイブが事業を買収し、これまでの多過ぎるほどの経験を踏まえて小売業の比率を減らせるだろうと算盤をはじいている。

トリプル・ファイブはそのために、アメリカンドリームの総面積300万平方フィートの55%をテーマパーク用地として確保した。整備されたのは「スポンジ・ボブ」のジェットコースターや、スキー場、スケートリンク、ウォータースライダーなどだ。さらに親に落ち着いて買い物をしてもらうためのベビーシッターから、しばしば渋滞が発生する高速3号線を通る車ではなく、ヘリコプターを利用してもらうための着陸拠点まで用意されている。いずれも、アメリカンドリームに年間で4000万人を集めることが狙いだ。

しかし残りの45%を占める宝飾品販売のティファニー(TIF.N)と百貨店サックス・フィフス・アベニューといった小売店が開店するのは来年3月以降になる見通し。つまり各店舗は、1年で最も大事な年末商戦の機会を逃してしまう。米小売業界自体、足場が不安定で、ティファニーがLVMH(LVMH.PA)への身売りに合意し、サックスを所有するハドソンズ・ベイ(HBC.TO)が物言う株主から経営改革を迫られている。もう1つのテナントとして誘われていた百貨店バーニーズ・ニューヨークは11月に破綻し、わずかな金額で売却されてしまった。それだけに、年末商戦に間に合わないというのは何ともタイミングが悪い。

一方、ネットで買い物をする人は増え続けている。モルガン・スタンレーの見積もりでは、11月第1週から第3週までの小売店の客足は前年比30%近く減少した。これは感謝祭とその翌日のブラックフライデーが今年は11月の3週目で、昨年は4週目だったというカレンダー要因が影響した。もっとも直近でこうした状況になった2012年と13年を比べると、客足は15%の減少にとどまった。

ソフトウエアのアドビは、今年の年末商戦期間を通じて、売上高の伸びは実店舗をネットが上回る公算が大きいとみている。そうした流れからすれば、モールは「ドリーム」どころか「悪夢」の様相が濃い。

●背景となるニュース

*アドビの見通しでは、米国では12月2日のサイバーマンデーのネット売上高は過去最高の94億ドルに達しそうだ。年末商戦期全体では前年比14%増と、実店舗を含む全体で予想される売上高伸び率の4%を上回るだろうという。

*アメリカンドリームでは、「ドリームワークス・ウォーター・パーク」という新たな施設が近く始動する。10月25日には、「ニコロデオン」のテーマパークやスケートリンクが営業を始め、12月上旬にはスノーパークも開業予定。サックス・フィフス・アベニューとティファニー、H&Mの開店は来年3月となる。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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