April 22, 2014 / 5:28 AM / 4 years ago

コラム:インフレ消滅のアジア、債券価格はさらに高騰も

Andy Mukherjee

[シンガポール 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - アジア地域ではインフレが消えてなくなり、アナリストは予想外と受け止めている。もしもインフレが近く再燃しないと判明すれば、既に高水準にあるアジアの債券価格が一段と上昇する可能性がある。

シティグループの「インフレーション・サプライズ指数」によると、アジアの消費者物価と生産者物価はエコノミスト予想よりも実際の方がずっと低い。同指数がゼロ未満なら、予想が高過ぎたか実際の数字が低過ぎたことを意味し、3月はマイナス14.7と8カ月ぶりの低水準になった。

2008年の金融危機前は、アジアの消費者物価は予想を上回るペースで上昇し、投資家は債券リターンの要求水準を高め、中央銀行が短期金利を引き上げた結果、ソブリン債の利回りは跳ね上がった。

ところが12年以降は物価上昇率が予想対比で下振れするようになった一方、アジア債券の平均利回りは投機資金の流入でかなり低い水準になったとはいえ、想定ほどは下がっていない。

これは米連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期をめぐるシグナルが混乱していることが一因だ。FRBが利上げすれば、投資家は妙味の薄れるアジア債を売るだろう。

だがFRBが動かない場合、現在の低成長、ディスインフレという環境からすればアジア債券は相当に魅力を持つことになる。もしも投資家が米利上げが差し迫ってはいないと判断すれば、アジアのディスインフレが再び債券利回りの方向を左右するとみられる。

そして物価に関する材料はほとんどが下向きを示唆している。中国では財の価格は政府目標を下回る伸びであり、タイの物価も低迷中。シンガポールと韓国の中央銀行は物価見通しを下方修正し、経済が急成長を続けるフィリピンでも早期利上げをしなければならない理由は見当たらない。インドネシア中銀は来年までに利下げできるかもしれない。

インドだけは物価が過度に高いが、中銀は利上げではなく利下げを準備しているように見える。

投資家は今年これまでにアジアの発行体が販売した500億ドル強の債券を引き受けてきた。これは前年同期をやや上回り、今後ユーロ圏の量的緩和や日銀の緩和強化でリターンを求めて新興国により多くの資金が流入するようなら、債券販売額はもっと膨らむ余地がある。

FRBの政策に関する不透明感が払しょくされ、投資家の早まった米利上げ観測が後退すれば、アジアのインフレ消滅に賭ける取引が活発化するだろう。

●背景となるニュース

*シティグループがまとめた日本以外のアジア太平洋地域の「インフレーション・サプライズ指数」は3月がマイナス14.7と8カ月ぶりの低さになった。同指数のマイナスは、消費者物価と生産者物価がアナリストのコンセンサスよりも低かったことを示している。

*トムソン・ロイターによると、バークレイズのアジア新興国のソブリン債指数の満期利回りは16日が4.26%。今年一番高かったのは1月8日の4.68%だった。

*中国では3月の生産者物価指数は前年比2.3%の下落で過去9カ月で最も大きな下落率に並び、消費者物価指数の前年比上昇率も2.4%と政府が今年の目標として掲げる3.5%を下回った。消費者物価上昇率が過去1年10カ月で3%以上になったのは4カ月しかない。

*シンガポールの中央銀行は14日、今年の物価上昇率見通しを2─3%から1.5─2.5%に引き下げ、韓国中銀も2.3%から2.1%に下方修正した。

*インドネシア中銀のハリム・アラムシャ副総裁は、来年にはインフレが鈍化して利下げできる可能性があるとの見方を示した。ブルームバーグが16日、副総裁のインタビュー記事を伝えた。

*フィリピンの物価上昇率は3月が3.9%で2月の4.1%から鈍化。中銀の今年の目標は3─5%。タイの予想物価上昇率は3年8カ月ぶりの低水準となっている。

*筆者は「ReutersBreakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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