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コラム

訂正:コラム:バイデン氏の大規模経済対策へのサマーズ氏の意義ある警告

[ロンドン 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - バイデン米大統領の財政政策へのアプローチは「思い切り打ってこう。中途半端になるな」だ。だれもが同意はしていないようだ。その1人がサマーズ元米財務長官。バイデン氏の1兆9000億ドルの経済対策が少々行き過ぎかもしれないと心配する一人だ。

 バイデン米大統領の財政政策へのアプローチは「思い切り打ってこう。中途半端になるな」だ。だれもが同意はしていないようだ。その1人がサマーズ元米財務長官だ。写真はバイデン氏。ホワイトハウスで先月撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)

新型コロナ禍との闘いの熱気の中で、正しい金額規模を見定めるのは至難の業だ。しかし今は、より賢明な財政出動に狙いを絞り、次にフルスイング級のインフラ投資に出るのも手かもしれない。

サマーズ氏も経済対策の必要には同意する。しかし、議会に提出された対策案の規模の大きさが、米経済に本質的に見合う以上の需要を創り出し、景気過熱につながるのを懸念している。

サマーズ氏の考えは国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏からも支持された。ブランシャール氏は、過剰な需要が経済に残された需給の緩みの4倍に拡大し得るシナリオ(訂正)を一例に挙げている。

イエレン米財務長官は7日、こうした不安をはね飛ばして見せた。同氏が確信を持つのにも幾つかの根拠がある。コロナ禍前に失業率が3.5%に低下したときでさえ、物価と賃金の上昇は抑制されていた。つまり、何かしらの構造変化が起きている可能性はある。政策金利が既にゼロ近辺になっていることを考えれば、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、将来に金融政策を過熱経済の冷却に使いやすいし、それは今、経済成長を刺激することよりも、ずっとたやすいことになる。

しかし、経済に資金を必要なだけ投じれば、実際のところ物価圧力は再燃するかもしれない。何しろバイデン氏は大規模なインフラ支出も計画しているし、連邦最低賃金の時給15ドルへの引き上げもしたがっている。

パウエル氏は物価が以前からの2%目標を一時的に超えるのは進んで容認しようとしている。だが、物価上昇が急激になり過ぎた場合には、利上げは不可避になる。そうなった場合の金融市場と経済の不安定化は、実は数十年前に比べてずっと大きいかもしれない。この数十年で政府や民間の債務は格段に膨らんでいるからだ。

結局のところ、支出される資金がどこに行くかが問題の多くを左右する。例えばインフラ投資を考えてみよう。道路や電力網などへの公共投資は始まるのに時間はかかるが、潜在成長率を高めることもできる。この潜在力が高まれば、インフレをそれほどもたらさずに経済拡大ペースの加速が可能になる。一方で、家計への現金給付は、必要としている対象を注意深く狙わないと、景気過熱をあおる可能性がある。

今は緊急経済対策の的を賢く絞り、有効な公共投資の拡大に焦点を当てていけば、バイデン氏とイエレン氏は、成長を押し上げ経済格差を縮小させるという彼らの野心的な目標を損なわずに、インフレリスクも軽減できるだろう。サマーズ氏の警告はもっともだし、バイデン氏が避けたいはずの落とし穴に、注意喚起の「旗」を立ててくれてもいる。

*4段落目の「過剰な需要が経済の需給の緩みを4倍に」の部分を「過剰な需要が経済に残された需給の緩みの4倍に」に訂正します。

●背景となるニュース

*サマーズ元米財務長官は4日付ワシントン・ポスト紙への寄稿で、バイデン大統領が打ち出した1兆9000億ドル規模の経済対策について、ドルの価値や財政の安定性に影響するような、ここ数十年見られなかったほどのインフレ圧力を誘発する可能性があると警告した。

*イエレン米財務長官は7日、経済を過度に刺激してインフレを引き起こすリスクについての質問に「そうしたリスクが具現化した場合には、われわれには対処する良い手段がある」と答えた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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