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コラム

コラム:ビットコイン、「不信感」漂う時代の取引にもってこい

[ニューヨーク 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ビットコインは下落しているが、まだ終わってはいない。足元で下がったとはいえ、過去1年間の上昇率は260%を超え、この1月には4万ドルを突破する場面もあった。この相場状況の不合理さを説明しようと思えば、その理由には事欠かない。とはいえ、市場が不合理な状態をずっと続けることがあり得るなら──おそらくあり得る──ビットコイン懐疑派といえども相場に強気になれるかもしれない。

 1月22日、ビットコインは下落しているが、まだ終わってはいない。足元で下がったとはいえ、過去1年間の上昇率は260%を超え、この1月には4万ドルを突破する場面もあった。2020年3月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

よくあるビットコイン擁護論を論破するのは簡単だ。第1に、ビットコインの供給量は固定されているため、仮想でない各国法定通貨が野放図に発行される事態から投資家が身を守る手段になる、という説がある。しかしビットコインの価格が2万ドルから約2倍に跳ね上がったのは、昨年12月からの1カ月間。各国が金融緩和を始めたのはそれよりずっと前だった。

ロビンフッドのような個人向けアプリの普及によって仮想通貨(暗号資産)の取引がますます簡便になったとの指摘もある。しかし相場が急落する際のスピードだって、同様に速くなる可能性がある。

ビットコインは交換手段としては劣っている。多くの専門家によると、クレジットカード運営のビザが1秒で数千件の取引を処理できるのに対し、ビットコインのブロックチェーンによる処理件数は10件に満たない。

暗号資産の上昇を予想する理由としては、長期的な不安を測る目安だから、という説明の方がしっくりくるだろう。法定通貨の価値を心配するのは本来は的外れかもしれないが、実際に心配している人々にしてみれば、懸念を募らせる理由は簡単に見つかる。米連邦準備理事会(FRB)によると、米国の通貨供給量M2は昨年初めから約25%も増えた。これが有害か否かで政策当局者と学界の見方は分かれている。とはいえ、通貨供給量の伸びは財政赤字の拡大と相まって何年間も人々の懸念を呼ぶとみられ、これがビットコインの上昇を引き起こす可能性もある。

政府に対する全般的な不信感の高まりも、ビットコインの上昇を長引かせる可能性のあるトレンドの一つだ。ピューリサーチによると、米政府に対する信頼感はここ何年も30%を下回り、過去最低水準にある。エデルマン・トラストバロメーターによると、中国、韓国、日本の3カ国はいずれも昨年、政府への信頼感が低下した。同バロメーターでは、カナダ、英国、米国、メキシコの政府に対する信頼感は昨年初めごろに高まったが、その後反落した。

不信感の水準とビットコイン相場の間に、数学的な相関は存在しない。しかし政策当局者への信頼感低下と低金利が組み合わさると、より多くの投機家が暗号資産に向かう可能性がある。現在のように不安が高まっている時にはなおさらだ。ビットコインは通貨としては説得力に欠ける上、投資の地位もまだ確立できてはいないが、不信感に満ちた世界における投機対象としては良いかもしれない。

●背景となるニュース

*ビットコインは昨年12月17日に2万ドル台に乗せ、1月8日には4万ドル前後まで上昇。1月22日には急落した。

*2019年初めには4000ドルを、昨年3月には5000ドルを、それぞれ割り込む場面があった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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