January 10, 2020 / 7:52 AM / 15 days ago

コラム:ブラックロック、気候変動で言行不一致を軌道修正へ

[ニューヨーク 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

 世界最大の資産運用会社、米ブラックロック(運用額約7兆ドル)は9日、企業に温室効果ガス排出削減などを促す機関投資家の取り組み「気候アクション100プラス」に参加した。ニューヨーク市にあるブラックロックのオフィス。2018年7月撮影(2020年 ロイター/Lucas Jackson)

世界最大の資産運用会社、米ブラックロック(運用額約7兆ドル)(BLK.N)は9日、企業に温室効果ガス排出削減などを促す機関投資家の取り組み「気候アクション100プラス」に参加した。これは気候変動問題で言行が一致しない同社の姿勢を軌道修正する1つの方法だ。

ラリー・フィンク氏率いるブラックロックは、環境・社会・企業統治(ESG)問題について、同氏の株主宛て年次書簡はもちろん、他のさまざまな機会にも厳しいメッセージを発してきたものの、行動が伴わないのが常だった。昨年11月にはシンクタンクのインフルエンスマップが、気候変動関連企業への投資家としての働き掛けという面で、ブラックロックに「C」の評価を下した。また非営利団体マジョリティ・アクションによると、ブラックロックは昨年、気候アクション100プラスが米企業に提起した株主議案全てに反対票を投じた。

だが気候アクション100プラスに加わったことで、フィンク氏をはじめとするブラックロック首脳陣は、少なくとも正しい集団に属しつつある。ブラックロックが果たして投資先企業の環境重視姿勢を促進する役割を果たしているかどうかという幅広い議論を、過去のものとすることもできる。

アリアンツやカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)などが昨年9月に設立した「ネットゼロ・アセット・オーナーズ・アライアンス」は、指数連動型運用やパッシブ型運用の機関投資家に気候変動問題でより責任を負わせようとしている。日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は昨年、ブラックロックに委託するパッシブ運用の外国株の規模を半分に減らした。

一方、気候アクション100プラスはこれまで、比較的働き掛けやすい企業を選んで運動していたが、ブラックロックを加えたことで今年は活動をより強めそうだ。従来加盟投資家があまり多くなかった米国でブラックロックが力になるのは言うまでもない。このため、温室効果ガス排出のほかサプライチェーン、社員の給与制度、ロビー活動支出といった問題で、より厳格な目標を推進するはずだ。

これらの活動がブラックロックに実際どういった影響をもたらすかは、しばらくはっきりしないだろう。投資先の株主総会での同社の投票行動は、毎年8月に公表される資料でしか分からない。ただし株主投票が全てでもない。気候アクション100プラスに加盟する多くの投資家は、投票に至る前の段階で企業にしかるべき対応をさせている。ブラックロックは今、公然とそうした取り組みを主導することで、環境問題重視の投資家だと証明する機会を得たのだ。

●背景となるニュース

*世界最大の資産運用会社、米ブラックロックは9日、企業に温室効果ガス排出などを促す機関投資家の取り組み「気候アクション100プラス」に参加した。この運動には370を超える機関投資家が加盟し、温室効果ガス排出量が世界で最も多い161社に環境対策を求めている。

*運用資産6兆8000億ドルのブラックロックの参加で、気候アクション100プラスに関係する投資家の総資産額は41兆ドルに達する。

*気候アクション100プラスは2017年の立ち上げ以降、グレンコアやロイヤル・ダッチ・シェル、マースク、ネスレなどを働き掛けの対象としてきた。

*ブラックロックは、今回の決定は同社の投資スチュワードシップチームがこれまで成し遂げてきた作業を自然に進展させた結果だと説明。運用資産に気候変動リスクが影響を及ぼしている証拠が急速に増加しており、この重大問題で関係企業への働き掛けを加速させつつあると付け加えた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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