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コラム

コラム:中国、成長カンフル剤の副作用に直面へ

[香港 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国は、社会面で鎮静剤、経済には「レッドブル」の合わせ技で新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えた。世界2位の経済大国は、厳格な感染対策、輸出ブーム、洪水のような与信のおかげで2020年に2.3%のプラス成長を達成した。しかし地方政府財政のストレスは深刻で、社会的摩擦も強まっており、民間セクターは今も苦境にある。

 中国は、社会面で鎮静剤、経済には「レッドブル」の合わせ技で新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えた。写真は昨年11月、上海で開かれた建設機械の見本市で撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

新型コロナの感染拡大を受けて中国が発動したロックダウン(都市封鎖)は、感染制御に効果があったと広く評価されている。軍隊的な措置のおかげで、早期にほぼ正常の状態を取り戻し、工場が操業を再開し、海外からの需要急増に応えて医療関連製品を大量生産できた。その他の経済分野も稼働させるため、地方政府は記録的な規模の債券を発行して財政支出を拡大させた。中国人民銀行(中央銀行)は金利について西側の中銀と比べて慎重なスタンスを取ったが、2020年の新規融資は前年から20%近く増え約3兆ドルとなった。

しかし、インフラ投資はほとんど伸びず、有望なプロジェクトが乏しいことを示す。債券市場で調達された数兆元規模の資金はどうやら大半が借り換えに充てられたようだ。地方政府は多くは、債務の増加、歳入の減少、加えて医療負担の増加で財政はひどく圧迫され、昨年の相次ぐ国有企業のデフォルト(債務不履行)にもつながった。国盛証券の推計では、31地域中22地域で債務比率が300%を超えている。新型コロナの発生源とされる武漢市を省都とする湖北省は643%だ。

緊急措置は成長を復活させたが、回復を確固としたものにするのに必要な個人消費や投資は依然弱い。失業統計は比較的安定しているように見えるが、賃金を下げたり、賃金の支払いを止めた企業は多い。政府の直接支援が乏しく、インフレ率を考慮したベースの2020年の平均可処分所得の伸びは2.1%にとどまった。19年の5.8%だった。20年の固定資産投資は公的部門が5.3%増だったのに対し、民間部門はたったの1%しか伸びなかった。小売売上高は3.9%減少と、19年の8%増からマイナスに転じた。

扱いづらい問題がでてきている。中国国民の多くは、米国が悪戦苦闘している中で、国を挙げてコロナ禍に対応できたという自負を持っているが、経済的、精神的に過去に例のないストレスに見舞われた1年のツケが表れている。自殺や暴力犯罪に関するメディア報道は増加傾向にあり、北部では1億人以上が再び封鎖措置下に置かれている。今年は、前年に比べて難しい対処を求められそうだ。

●背景となるニュース

*中国国家統計局が18日発表した2020年の国内総生産(GDP)は前年比2.3%増だった。

*中国人民銀行(中央銀行)のデータによると、2020年の新規融資は19兆6300億元と、過去最高だった19年(16兆8100億元)から16.8%増加した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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