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コラム

コラム:2桁成長でも喜べない中国経済の実情

[香港 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国国家統計局が16日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比18.3%増と、2桁成長を達成したが、市場予想を下回る失望を招く内容となった。

 4月16日、中国国家統計局が発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比18.3%増と、2桁成長を達成したが、市場予想を下回る失望を招く内容となった。写真は2020年5月、浙江州湖州市の工場で撮影。提供写真(2021年 ロイター/China Daily)

比較対象となる前年同期のGDPが低水準だったため、市場関係者はさらに高い成長を見込んでいた。

前期比ベースでは、景気の回復ペースが驚くほど失速している。金融政策の選択肢が限られる中、政府は最悪のタイミングで財政刺激策の縮小を検討しているように見える。

前年同期のGDPが低水準だったことを踏まえると、今回のGDP統計は、前期比ベースの数値に注目したほうがいい。

小売売上高は好調だったが、第1・四半期のGDPは前期比0.6%増と、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の1.5%増を下回った。

さらに悪いことに、キャピタル・エコノミクスの推計によると、大きな雇用創出源であるサービス業は縮小している。

背景には、投入価格の上昇と米景気刺激策に伴う物価上昇がある。中国の3月の生産者物価指数(PPI)は前年比4.4%上昇と、2018年以来の高い伸びとなった。

国有のコモディティー企業にとっては朗報だが、民間の製造業は大きな打撃を受けている。一部の企業は、靴などの製造に広く利用されるPVC(ポリ塩化ビニール)などの原材料価格の上昇で、コストが今年、最大30%上昇している。

ただ、中国人民銀行(中央銀行)は、金利を変更することができない。これ以上金融を緩和すれば、すでに過熱感のある住宅市場がさらに膨張し、債務の削減計画にも支障が出る。

一方、利上げを通じて与信を抑制すれば、経営難の企業の資金調達コストが上昇しかねない。利上げは人民元高につながる可能性もあり、輸出競争力の低下を招く恐れもある。

このため、財政省に景気刺激を求める声が強まることになるが、同省は公的債務の拡大のほうを懸念している可能性がある。景気刺激のために発行された地方政府債は第1・四半期に急減。前年同期の1兆5000億元(2300億ドル)のわずか2%にとどまった。

中国は新型コロナウイルス対策を自画自賛していたが、そうした熱意も薄れてきている。ワクチン接種でも出遅れており、今は景気刺激の手を緩める時期ではない。

●背景となるニュース

*中国GDP、第1四半期は前年比18.3%増 過去最大の伸び

*中国PPI、3月は約3年ぶりの大幅上昇 CPIは上昇に転じる

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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