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コラム

コラム:中国経済の失速、世界への影響長期化も

[香港 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国には「長痛不如短痛(長期間痛みを味わうより一瞬の痛みのほうがまし)」という言い回しがあるが、中国の影響力の大きさを踏まえると第3・四半期国内総生産(GDP)成長率の4.9%への想定以上の鈍化は一瞬の痛みでは済まず、世界中に影響が広がることになるだろう。

中国には「長痛不如短痛(長期間痛みを味わうより一瞬の痛みのほうがまし)」という言い回しがあるが、中国の影響力の大きさを踏まえると第3・四半期GDP成長率の4.9%への想定以上の鈍化は一瞬の痛みでは済まず、世界中に影響が広がることになるだろう。写真は上海で7月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

同時進行の複合的要因が景気の大幅減速を招いたわけだが、習近平国家主席が進める社会の格差や非効率な成長を是正するための政策は、長期的に中国への依存度が高い市場に響くとみられる。

習主席の何年にもわたる不動産相場抑制策は景気減速の主因となった。中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC、銀保監会)の郭樹清主席は6月に、習主席の不動産関連政策を軽視すれば代償を払うことになると警告。それ以降、集合住宅の販売が急速に鈍化し、不動産大手の中国恒大集団は経営危機に陥った。国家統計局が18日発表したデータに基づきロイターが算出したところによると、9月の国内新築着工は6カ月連続で減少した。

これらの問題に加え、中国は電力不足に直面している。地方政府に達成を義務付けられた気候関連目標や新型コロナウイルスの散発的な感染拡大などが要因だ。

9月の鉱工業生産は前年同月比で3.1%増と、コロナ対応の行動制限が敷かれた2020年序盤以来の低い伸びとなり、小売売上高も鈍いままだった。地方政府が大型事業を控える中、インフラへの公共投資による押し上げも不在だった。

習主席は先週、共産党の理論誌「求是」に公表した論文で、格差が是正されない場合の悲惨な結末について警告し、固定資産税導入に向けた法案を進めるべきだと呼び掛けた。消費税の適用範囲拡大も求めた。

これらの方針が実現すれば中国の年間2兆ドルにも上る外国のモノとサービスへの需要がリスクにさらされることになる。ゴールドマン・サックスは住宅着工が30%減少すれば2022年の経済成長率を4%ポイント押し下げると試算する。

中国の建設業界や金属消費に影響を受けやすいチリやオーストラリアなどの貿易相手国は即座に痛みを受けることになるだろう。賃金の低迷と増税の組み合わせは「ルイ・ヴィトン」を手掛ける仏LVMHといったファッション大手にも打撃を与える。

株式相場が調整局面に入れば、2015年の世界同時株安のように、世界的に波及する可能性がある。そろそろ心の準備が必要なようだ。

●背景となるニュース

*中国国家統計局が18日発表した2021年7─9月期の国内総生産(GDP)は前年比4.9%増となり、伸び率は4─6月期の7.9%から減速し、ロイターがまとめた市場予想(5.2%)以上に鈍化した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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